MEN IN BLACK V the Novel ゴジラと一緒☆ 2007/04/21 00:05:08 └2010年7月20日05:00L.A. ゴジラと一緒☆ 2007/04/21 10:27:57 └2010年7月20日10:00L.A. ゴジラと一緒☆ 2007/04/28 15:42:56 └長身の好青年エージェントL、彼は二人の8年... ゴジラと一緒☆ 2007/04/28 15:43:23 └「……闇に葬られているのは我々だけじゃな... ゴジラと一緒☆ 2007/04/28 15:56:55 └「ただ今戻りました、R」 ゴジラと一緒☆ 2007/04/28 16:04:40
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“MENinBLACK”…… それが地球を守る 闇の組織。 構成員は 闇に消えた男たち…… しかし 彼らのおかげで この地球は 未だに 存在する。 地球も、人類も 彼ら無しでは一秒たりともこの世に存在することはできない。 我々は 日々 侵略を 受け続けている…… …… | ||
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2010年7月20日 05:00 L.A. 暗い雑然とした部屋のどこかで、ジリリリリ……と目覚まし時計が鳴り始めた。 「……残念だったな、私は起きてるよ」 書類の谷間から髪をくしゃくしゃにした男がむくりと起き上がり、欠伸交じりにうるさいジリリリ……を止めた。 殻のマグカップから微かにエスプレッソの香りがしているところを見ると、どうやら徹夜をしたらしい。部屋全体が黙り込んでいる。しかし、その静寂は、今度は携帯電話の着信音によって破られた。 特に感情を害した様子もなく、男は携帯をスライドさせる。 「Yです。……あぁ、Rでしたか、次はどこに…?えぇ、…了解、すぐに出ます」 パチン、と携帯をしまうと、男は髪を撫で付けながら小さなブリーフケースを書類の海から拾い上げ、小粋なチェスターフィールドを引っ掛けて部屋を出た。 扉の外は白く、何の飾りもない廊下で、行き止まりにはエレベーター――もしくはそれに類するもの――がある。ただしボタンは上下ではなく一つきりだ。男はそのボタンを押し、乗り込んだ。中にはちょうど目線の高さにセキュリティチェックボードがついている。男がその前に立つと、弱いフラッシュが閃く。チャイムが鳴り、音声が告げる。 『角膜識別完了、受け入れ開始』 「……いつになったら男声に代わるのかな、Rにはしつこく言ってあるのに……」 どうやら女声はお気に召さない様子だ。彼の部屋の状態も頷ける。 エレベーターは横移動を開始した。数秒の物凄い加速の後、何事もなかったかのように男はエレベーターを降りた。そこはどうやら屋内駐車場であり、これ以上無いほどに磨き上げられた黒いボディーの軽車がずらりと並んでいる。ここでも男はまったく無感動に手近な一台に乗り込んだ。 「日本 甲信越 木曽上松」 それだけ言うとシートに凭れ掛り目を閉じる。その間に車は床にぽっかりと開いた空間に吸い込まれて行く。 車体の最後の輝きが消えたとき、MiBエージェント、Yの任務が始まった。 | ||
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▼ Re: 2010年7月20日05:00L.A. [返事を書く] | ||
2010年7月20日 10:00 L.A. 「……何、また誤報だぁ?…ったく…おいY、その爺さん、多分もうダメだな、耄碌しきってるぜ」 「でも2年前のこともありますしねぇ……あの時は下手をしたら本当に大惨事でした。」 日本での任務を終えたYは、上司であり、最高のパートナーでもあるエージェントRに調査の報告を入れた。 「長野の木曾という所は、本当にフリスビーのスポットですから」 『フリスビー』すなわち未確認飛行物体/UFO。何も知らない一般市民はUFOというと、何か平らな円盤を連想し勝ちだという、彼らの間の皮肉だ。 「そういう所でマニアを何人か情報提供者として抱き込んでおくのは大切ですよ」 「んまぁそうだが……」 「事実、入手した映像資料からはさまざまな情報が得られるわけで……」 「あぁ分かってるって。俺はただ……」 Rは首をすくめてニヤッと笑った。 「俺はな、早くエイリアン様のご尊顔をブチ抜きたいだけなんだよ」 Rは血気盛んな男で、仕事こそが己が存在意義と思っている節がある。 「まったく、世のサラリーマンとは正反対な人ですねRは」 やり手の仕事人風のYの顔に、初めて笑みが浮かぶ。 「我々が宇宙警察じゃなくて外交職だということもお忘れなく」 「お互い様だ……さて、俺はLの報告を待つとするか」 「Lも別の調査に?」 途端にYの顔が締まる。 (続く) | ||
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▼ Re: 2010年7月20日10:00L.A. [返事を書く] | ||
長身の好青年エージェントL、彼は二人の8年後輩に当たる。Rが冗談交じりに答える。 「あぁ。つい一時間前に、N.Y.郊外で謎の熱源だそうだ。俺は温泉だと踏んでるんだがな」 「あぁR…よもや地下鉄ミミズのことを忘れちゃいませんよね?」 「うん、何度アイツと対決したことか…!!伝説のタフガイ、エージェントJが片付け切れなかった唯一の仕事といったら、間違いなくジェフ様御一族だな」 地球に住み着いてしまった『MiBの商売相手』の一匹、巨大ミミズと、MiBの全ての構成員の永遠の憧れ、エージェントJの度重なる対決(?)は、今やMiBの伝説であり、予備軍においても歴史の時間に丸1日を掛けてこの話を講義しているという都市伝説まで存在する。初代のジェフは20世紀末、襲来者サーリ−ナによって爆散させられているが、その後彼の死を悼む間もなく卵が発見され、子孫たちが今でもN.Y.の地下を元気良く駆け回っている。 「でもな、今度の奴は金属反応もあったって話だ。もしかすると……」 「遺物という可能性だってありますからね」 Yはにべもない。 「…なぁおい、俺に夢を見る暇を与えてくれよ、Y」 「残念ながら地球は平和な方がいいですよ、私は」 「ったぁ冷てぇな…ん、待て待てケータイがブルってる……」 いそいそと上着の内ポケットから携帯電話を取り出して、Rは期待に目を輝かせてそれを耳に押し当てる。 「Rだ、Lか?……何ッ、それは…マズいな…すぐ戻れるか?…うん、うん、よし分かった」 終話ボタンを押したRの顔は蒼白だった。 「お望み以上の掘り出し物だったのでは?」 Yが眼鏡の奥で僅かに笑う。 「いや……トンでもない物にぶち当たったぜ…」 血の気の引いた顔をYに向け、Rはゆっくりと言葉を続けた。 「N.Y.の郊外にはなぁ……大規模軍需工場があるんだとさ」 束の間の沈黙…… (続く) | ||
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▼ Re: 長身の好青年エージェントL、彼は二人の8年... [返事を書く] | ||
「……闇に葬られているのは我々だけじゃないんですね。良かった仲間がいて…。 で、Lは大丈夫なんですか?」 「あぁ。目撃者をニューラライズして抜け出してきたそうだ。今、こっちへ向かってる」 「知らぬが仏、彼が帰ってきたら3人でニューラライズした方が良いかもしれませんね」 「ん、同感」 「……便利ですよね、これ」 Yがニューラライザーを弄びながら呟いた。一度味をしめると後輩に触らせたくなくなるという魔性の道具。本来はエイリアンなどを目撃した人間の記憶を修正するために用いられる、MiBエージェントと特殊情報操作局の必須携帯具だ。かのJもMiBエージェントとしての最初の1年間はパートナーのKからニューラライザー使用許可は下りなかったという。 「ついでに嫌なパートナーとオサラバするのにも使えるしな」 Jといえばもう1つ。史上最多のパートナー交換記録保持者であるということ。あの<永遠のエージェント>Kですら、1度記憶を失って職を離れていた。呆れた当時の最高指令Zは、彼に直々に『一生Kと組んで仕事しろ』と怒鳴りつけたという。 (続く) | ||
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▼ Re: 「……闇に葬られているのは我々だけじゃな... [返事を書く] | ||
「ただ今戻りました、R」 つんつんに逆立てたブロンドの短髪に爽やかなブルーの瞳をした青年エージェントLが現れた。 「ご苦労。…てか酷い目にあったなぁ…大丈夫か?」 「はい。見張りの兵士の記憶修正は済ませましたし、監視カメラに引っかかってもいませんから、大丈夫かと…」 てきぱきと答えながらも申し訳なさそうに僅かに視線をそらしたLにYが声を掛ける。 「良くやったよL。…今回は我々の所管じゃなかったにせよ、見事な事後処理だ」 Lは少しく照れながらもYの目を捉え、うなずいた。 「…うん、さてと、少し速いが飯にしよう。緊張して腹減った」 「そうですね、Cからのランチのお誘いが来る前に…」 3人は肩を並べて食堂へ向かった。 | ||
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