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ノートの内容 : 2010年7月20日 05:00 L.A. 暗い雑然とした部屋のどこかで、ジリリリリ……と目覚まし時計が鳴り始めた。 「……残念だったな、私は起きてるよ」 書類の谷間から髪をくしゃくしゃにした男がむくりと起き上がり、欠伸交じりにうるさいジリリリ……を止めた。 殻のマグカップから微かにエスプレッソの香りがしているところを見ると、どうやら徹夜をしたらしい。部屋全体が黙り込んでいる。しかし、その静寂は、今度は携帯電話の着信音によって破られた。 特に感情を害した様子もなく、男は携帯をスライドさせる。 「Yです。……あぁ、Rでしたか、次はどこに…?えぇ、…了解、すぐに出ます」 パチン、と携帯をしまうと、男は髪を撫で付けながら小さなブリーフケースを書類の海から拾い上げ、小粋なチェスターフィールドを引っ掛けて部屋を出た。 扉の外は白く、何の飾りもない廊下で、行き止まりにはエレベーター――もしくはそれに類するもの――がある。ただしボタンは上下ではなく一つきりだ。男はそのボタンを押し、乗り込んだ。中にはちょうど目線の高さにセキュリティチェックボードがついている。男がその前に立つと、弱いフラッシュが閃く。チャイムが鳴り、音声が告げる。 『角膜識別完了、受け入れ開始』 「……いつになったら男声に代わるのかな、Rにはしつこく言ってあるのに……」 どうやら女声はお気に召さない様子だ。彼の部屋の状態も頷ける。 エレベーターは横移動を開始した。数秒の物凄い加速の後、何事もなかったかのように男はエレベーターを降りた。そこはどうやら屋内駐車場であり、これ以上無いほどに磨き上げられた黒いボディーの軽車がずらりと並んでいる。ここでも男はまったく無感動に手近な一台に乗り込んだ。 「日本 甲信越 木曽上松」 それだけ言うとシートに凭れ掛り目を閉じる。その間に車は床にぽっかりと開いた空間に吸い込まれて行く。 車体の最後の輝きが消えたとき、MiBエージェント、Yの任務が始まった。 発言修正
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