花子の悩み相談室 流離太 2006/09/22 01:22:28 ├「まあ、そのうちいいことあるって」 流離太 2006/09/22 01:23:16 └「……んで、勢いあまって?」 流離太 2006/09/22 01:23:30
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オス! おら花子。 おかっぱと赤い吊りスカートがチャームポイントの美少女。 元男子中学生で、今は幽霊やってる。 なんでこんなことになったかというと、ある日突然女の子になってたっていうわけ。 その後、クラスメイトの視線に耐えられなくて自殺したんだけど……今思えばこの体を使ってもう少しなにかできたかもと思う。 まあ、トイレで生徒達の噂話聞いたり、今はなんとか楽しくやってる。 お、なんか暗そうなやつがトイレに入ってきたぞ。 眼鏡をかけてて、なんだかもてなさそう。 「ハァ……」 なんだよ、魂も一緒に吐き出すくらいの溜息だな。 もしかして、自殺か? やべえなあ。 ただでさえ一個室一幽霊なのに。 このままじゃ幽霊のすし詰めになっちまう。 まあ、先輩だし、ここは悩みを聞いてやるか。 俺はそう思って、眼鏡少年の前にすうっと降りていった。 「おい、そこの眼鏡君」 声をかけると、そいつは肩をびくっと震わせた。 「や、や、山田の花子さん!!」 おい、眼鏡割るぞ? 「お前、なんか悩みあるんだろ? よかったら聞いてやるよ」 「ゆ、幽霊に話すことなんかない!!」 確かにそうだわな。 「まあ、そう言うなよ。幽霊だからこそ、わかるってこともあるぞ。一応先輩だし」 「そ……それじゃあよろしくお願いいたします」 よし、素直なのはいいことだ。 とりあえず、壁にもたれかかってそいつの話を聞くことにした。 「僕……好きな人がいたんです。それで、ラブレター出したんですけど『オタクは2chでも逝っとけや!!』とかいって振られまして……。あ、ちなみに僕、ガンオタです」 「きついな、その女。付き合ったら絶対尻に敷くタイプだぞ」 「でも、でも!! 好きだったんですよおおおおお!!!」 荒い息を吐きながら、眼前まで迫る眼鏡。 うわ、やっぱこいつもてなさそう。 そういえば、昔似たようなこと言われたことあるなあ……。 俺も軍事オタだったし。 | ||
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「まあ、そのうちいいことあるって」 「そんなありきたりなセリフで済まさないでくださいよ」 「いや、ありきたりじゃないかもな。やっぱり波長ってやつがあるんだよ。ほら、よく言うじゃん。男と女って、瘴気で惹かれあうんだって」 「瘴気で惹かれあうって、妖怪同士の恋愛かよ!?」 あれ、違ったかな? 「まあ、つまりだな……趣味を受け入れてくれる、そんな女が現れるってことだな。やっぱり、愛ってのはお互い求め合う関係だろ?」 うわ、俺今めっちゃかっこよくね? お、涙ぐみやがった。 まあ、当然だろうな。 ところが、眼鏡は俺の予想だにしなかった行動を仕掛けてきた。 そいつは、いきなり抱きついてきたのだ。 「キャッ!!?」 思わず声を上げてしまう俺。 って、こんな声上げたのか! 恥ずかしっ! 「女の子とこんなに話せたの、今日が初めてだ!! 幽霊でもいい、僕と付き合ってええええええ!!」 やっぱこいつ最悪! おい、スカートに触るんじゃねえ!! ちょ、やめ……駄目えええええええ!! | ||
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「……んで、勢いあまって?」 「はい、勢いあまって」 トイレの管理人である、紫婆には頭が上がらない。 ちなみに、今の俺は本当に土下座している。 溜息を吐く鬼婆……じゃなくて紫婆。 「まったく、ただでさえ狭いってのになに考えているんだい。まあいいや、お前が面倒見るんだよ」 そう言って、壁際を顎でしゃくる紫婆。 その先には、満面の笑みを浮かべた青い服の女が。 その正体は、あの眼鏡だ。 俺には、絞め殺した相手を性転換させる能力がある。 その能力を、つい使ってしまったのだ。 「お姉様ぁ!!」 いきなり抱きついて頬をすりすりと擦りつける元眼鏡。 うーん、あまり悪い気がしない……じゃなくて! 「お前、さっさと成仏しろよ!!」 「だってぇ、お姉さまと一緒にいたいんだもん! 責任……とってよね」 いや、本当に殺すつもりなんてなかったんだよ。 なんて、ひき逃げ犯みたいなこと言ってもあとの祭りか。 元眼鏡は、俺の手をギュッと握り締めた。 「今日は、2人で楽しいことたくさんしようね!」 そう言って、ぐいっと三番目のトイレに引っ張られる俺。 ちょ、こいつ滅茶苦茶怪力!! 助けて、ホーリーメイデンズううううう!! その日から、三番目のトイレの前を通ると、不気味な喘ぎ声が立つという噂が絶えなくなった……。 | ||
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