4人はゲームセンターにいた。 学校では行ってはいけないと言われているがそんなの守る生徒は居なかった。 『何・・これ?!可愛いー』 夜はUFOキャッチャーのガラスに手を置いて目を輝かせていた。 夜が見ているのはピンク色の可愛いぬいぐるみだった。 『そんなのの何処がいいんだよ?』 隣にいた聖がボソリと言った。 『聖くんにはこのぬいぐるみの可愛さが分からないんだよ』 『わかりませんよ』 夜は気分を悪くしたのか女の子の方へ行ってしまった。 1人取り残された聖はUFOキャッチャーのぬいぐるみを見ながら100円玉を入れた。
『聖の奴・・・まだかよ』 陸也が腕を組みながら言った。 ゲームセンターに入って1時間。 それぞれバラバラになったがメールでやり取りをしてゲームセンターの外で集合した。 だが聖1人だけが出てこなかった。 『絡まれてたりして』 夜がクスクス笑っていると聖がやっと出てきた。 『お前何やってたんだよ?』 『ごめん・・・』 聖が珍しく素直に謝り陸也はそれ以上何も言わなかった。 『次どこ行くー?』 夜が言った。 『何処って・・・帰らなくていいの?大樹くん待ってるんじゃ・・・?』 夜は携帯の時間を見た。 6時21分になっていた。 『やばっ・・・あたし帰る!!!』 『1人じゃ帰るの危ないな・・・』 陸也はチラリと聖の方を見た。 『聖、お前が付いていけよ。方向一緒だろ?』 『何で俺が?!』 『良いから行け』 『別にいいよ、聖くんが大変だし』 夜が気を使って言った。 『だったら・・・俺が付いてくよ』 陸也が夜の腕を掴んだ。 陸也は聖を見てかすかに笑った。 『俺が・・・付いていく!!!』 聖は夜を陸也から離した。 『じゃーな』 聖は夜の手を掴んで歩き出した。 2人が行った後に陸也が笑った。 『あいつ素直じゃねーな』
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