『とうとう明日だねー・・・大会』 『そうですね』 『敬語やめてよ』 『いやです』 『いつもみたいにして』 紫苑と夏は中庭で弁当を食べながら話していた。 周りには同じ学年の者たちがいた。 『いつもの紫苑じゃないと楽しくないね』 『やかましい』 『いつもみたいししてよ』 『いやゆうてるやん』 『いつもみたいになった』 夏はクスクス笑っているが紫苑の眉間にはしわがあった。 『あんた、どういうつもり?うちが関西弁をいうのは嫌なんや、あんたも知ってるやろ?』 『知ってるけど、紫苑は関西弁でちょっとうるさいほうが好き』 『別にあんたに好かれとーないわ』 紫苑は弁当箱を袋に入れて立ち上がった。 『生徒会の仕事があるから行きますね』 紫苑は夏を置いて歩き出した。 夏はあわてて弁当を片付けて紫苑の後をおった。 『もー好きになるぞー』 中庭を抜けたところで人だかりができていた。 誰かを中心に女の子たちが囲んでいた。 『誰や、あんんたとこで集るな』 紫苑はイライラしながらその人だかりの横を通った。 『あのさー・・・俺もちょっと用事があるんだよねー・・ごめん!!!』 中心は男の子のようだった。 男の子は女の子の人だかりを抜けてきた。 するとそこを通っていた紫苑とぶつかった。 紫苑が持っていた物が全て落ち、紫苑も倒れた。 『ってー・・・』 紫苑はいつもの自分が少し出た。 『わー!!ごめん、西坂!!!』 男の子の声には聞き覚えがあった。 紫苑は睨みつけるように男の子の顔を見た。 『ごめん・・・西坂』 『新島・・・くん』 いつもの癖で呼び捨てにしようとした。 紫苑はむ
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