大会の種目の一番人気は男女問わずバスケになった。 その反面希望者がいない種目もあった。 男子はバドミントン、女子は柔道と剣道だった。
紫苑は放課後の教室に1人残っていた。 希望者の人数を確かめるために集計しているようだった。 『テニスは多いな・・・』 紫苑は少し寂しそうだった。 机の上には希望の紙が束ねて置いてあったがその横に1枚だけ別に置かれた紙があった。 名前の欄には西坂紫苑と書かれていた。 希望種目はテニスになっていた。 紫苑は集計の紙をチラリと見た。 紙には希望者がいない種目が書かれていた。 『別にやっても・・・バチはあたらへんよな』 紫苑は消しゴムをもつとテニスという文字を消し、剣道と書き直した。
紫苑が教室から出たのは6時を回ってからだった。 退屈そうな顔をしながら教室を出た紫苑の後を誰かだつけた行ったー・・・。
『昨日の希望でバスケが男女ともオーバーしてました。バスケ以外を選んだ人は希望の種目で決まりましたがバスケを選んだ人たちは選びなおしてください。 男子は4人バドミントンに、女子は3人柔道にして下さい。』 紫苑は朝のHRで言った。 眠いのか机に伏せて寝ている者もいる。 そんな中で紫苑は大きな声で言った。 『ちょっと待ってよー、それってバスケが選んだ人が明らかに不利つーか最悪じゃん、どうせだったら最初からやり直せばいいじゃん』 昨日と同じ女の子が立ち上がって言った。 『最初からしても同じ結果になると思います、それに今バスケ以外で選んだ人はその種目で納得しているんです。』 紫苑の意見にうなずいている者もいる。 女の子は納得いかない表情をしながら座った。 『では、バスケを選んだ人はなんでもいいですので決めてください、話し合いでも決まらなかった場合はクジでもじゃんけんでもいいので決めてください。』 紫苑はそういうと席に座った。
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