カーテンの隙間から朝日が差し込んでくる。 ふと目が覚める・・・もう少し寝たい・・・ まどろんでいると一階から階段を上がる足音が近づいてくる。 「お兄ちゃん!今日は一緒に出かけるって行ったでしょ!!さっさとおきてよね」 妹の恵美が俺を起こしに来た。 俺の名前は東條直樹、今年で二十歳になる。 普通の学校、普通の高校を経ていまはアルバイトしながら大学に通っている。 こいつは俺の妹の恵美、今年で17歳か、実は俺とこいつは血のつながった兄弟ではないらしい、俺は本当の子でこいつは養子として家にきた。 でも幼いころから一緒だったから別に普通の兄弟変わらないと思う。 なんで俺が居るのに養子を取ったかというと、10年くらい前母さんの親友が交通事故でなくなった、その親友の子供だったらしい、幼かったのと仲の良い親友だったので施設に入れるよりはいいとおもったらしい。 恵美もこのことはしっているが、家では話題になることもない。 それに家族以外に知っている奴もいない。 「お兄ちゃん早く!」 恵美に急かされながら着替えて朝食をとる、朝は食わない奴も多いが俺はガッツリ食べる派の人間だ。 最近は隣町に新しく大型のショッピングモールが建設されていた、今日はそこのオープンの日らしい、俺がバイト休みなのと、恵美の誕生日が近いのでプレゼントの購入も兼ねていくことにした。 でも俺は正直気が乗らない、だってオープン初日なんで人ゴミで買い物どころじゃないだろう?まあ恵美が行きたがってるんだからしょうがないけどな。 「準備できたぞ、ほら行くぞ」 「あ、まってよ」 ついでに出しといてねと親に手渡されたゴミ袋を持って家を出た。 「楽しみだね、お兄ちゃん」 にっこりと微笑みながら恵美が言う。 「そうか?人ばっかりのところ行って面白いの?」 と俺が言葉を返す。 「もう、お兄ちゃんたら!」 恵美がふくれっつらで俺に言う。 いつも通りの会話にいつも道理の恵美の笑顔、別にどってことないものだと俺は思っていた。 しばらく歩くと駅に着いた。隣町までは電車で行く、ショッピングモールは駅とつながっていて降りるとすぐ目的地につく、便利になったと感心してると、恵美になんかおやじっぽいなんて言われてしまった。 実際着いてみるとかなりデカイ!!まるで別世界というか、それ自体が大きな町のような感じだった。 「なんかすげぇな」 思わず口にした。 「そうでしょ?ね、あっち」 そう恵美に腕を引っ張られていると、 聞いたことのある声がした。 「お、やっぱ仲いいな、東條」 そう声をかけてきたのは、担任の前島先生だった。 「センセイ、なんでこんないるの?」 「え?だって今日オープンだぞ!行かないでどうする?え?」 こいつ、子供か?今年26、独身で体育教師、身長180!こんなごっつい体で言う台詞ではないと思う。なんでも一番のりが好きらしい。 「前島先生こんにちは」 「お、恵美くんか、仲のいい兄弟が居るっていうのはいいことだぞ!俺も妹がいたらな・・・」 「筋肉ムキムキのの妹?」 そう俺が言うと。 「馬鹿やろう」 と頭を小突かれた。 「もう、お兄ちゃんったら、ほら行くよ」 そう恵美にいわれ再び腕を引っ張られた。 別れ際に前島が。 「明日お前、外周追加な」 なんてこといわれてしまった、付いてないな。 そして俺は恵美に引っ張られるままショッピングモールの中へ入っていった。
|
|