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私の瞳とひとみ 作者:シグタク

第6回  
 退職する2週間前の金曜日。電車の車窓をぼんやり見つめながら考えていた。もうこんなにあせらずに、最終日にでも告白するかという半分あきらめの気持ちになっていた。だから今の内に2人になる時間を最後に作ってくれとお願いしようと伝えておこうと思った。前もって言っておけば告白できる確率は高くなるだろう。

「ふぅ〜」

MDウォークマンから流れる曲がいつも以上に心に沁みる。しかし気のせいか録音した曲の歌詞には「瞳」と出て来るのが多い。

『そんなに連呼しないでくれ〜』

 さて、今日は帰り際に顔を会わせられるのだろうか。金曜日だから検体の量も多いし、帰りの電車も乗り遅れるだろうなぁ。もう1週間以上顔を会わせていなかったから久しぶりにひと目会いたい。
 小網の医院から検体の引き取りを終了したのは、定時に間に合う電車に乗れる時間だった。定刻通りに特急「ビューはましお」号が到着し、缶コーヒーを買って1両にしかない喫煙車に座り、左手に東京湾やディズニーランドを眺めながら一路東京駅まで40分の旅。夕日が赤く染まっていて綺麗である。いつも通り海浜幕張の駅から多数の乗客が乗ってきて、自由席はどこも完全に埋まっていた。もちろん俺の横にもサラリーの親父が新聞を広げてコーヒーを飲みながらくつろいでいる。これで東京駅到着時のフライングスタートは出来ないと確信していた。隣の人に一言伝えれば行けそうだが、何せ大きい荷物を抱え込んでいるのではっきりいって面倒。
  新木場を越えてビル群が間近に見えるようになると電車はここから地下へと入っていき、終点の東京駅まではあと5分程の距離となる。乗客達は降りる準備をしようと、だんだんとデッキに向かって歩き始めた。しかし今までもそうだが何故か俺の横に座っている乗客はいつもホームに到着してから席を立つ。

『今日も無理そうだな』

 そうあきらめかけていた時、急に横のサラリーが立ちだし、デッキに向かってそそくさと歩いていったではないか。隣には俺もデッキへと歩いていける空間がポカンと開いた。

『えっ!? ラッキー!?』

 終着駅到着まであと3分程あるだろうか。車内にはまもなく到着の旨と乗り換え案内の放送がまだ流れている。ここで立ち上がれば前もってフライングスタートの準備が出来る。そうすれば19時前に会社に到着できる!! 彼女に確実に会える!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。しかしいざとなって怖気ついたのか、なかなかすぐには立ち上がれなかった。

『別に今日じゃなくても・・・』

頭の中に最終日があるという気持ちが強く残っていて、しばらく考えながら動き出す事が出来ない。

『ど、どうしたんだ俺は。どうして消極的になっちまうんだ? 今、この時がチャンスだろうが。ずーっと、ずーっとこの時を待っていたんだぞ?』

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「バタッ!!」

「スタスタスタ」

 その時俺は今日は絶対会って、前もって告白する為の時間を貰おうと決めた。その気にさえなってしまえばあとはとにかく突き進むだけである。立って検体バッグを持ち、前の車両へと動き出す。完全にやる気が出てきた。

『これは何かある。神が与えてくれたチャンスなのかも知れない。今行かないでどうするよ?』

 運命的な何かを悟り、心臓がバクバクしながらデッキへと足を進め始めた。これでようやくその気になったんだ。

 電車は定刻通り、18時35分に東京駅に到着した。スタートの準備は完全に整っていて、扉が開くと同時にエスカレーターに飛び乗り長い昇りを必死に駆け上がる。地下3階、地下2階、地下1階。上に昇り切った時点ですでに息は上がってしまった。

「はぁ、はぁ」

 定期券で素早く改札を抜け、地下鉄のホームまであと500メートル程。間に合う電車までの残り時間はあと5分だが、検体を入れている大型のバックを持ちながらなので走る訳にもいかず、ひたすら早歩きで混雑した駅の構内をかき分けて進んだ。





 何でこんな事までしてここまで真剣になれるんだろう。普段ならこんな疲れることなんて絶対にしないのに、やっぱり今の俺は本当に真剣に恋愛をしているからか。毎日がドキドキの楽しい日々が続く反面、辛くも苦しくもある何とも言えない複雑な心境である。いや、今までを振り返れば御覧の通り辛くて苦しいのがだいぶ勝っているだろう。とにかく告白したかったので、今のうちに伝えて少しでも空いた時間を作って貰いたかった。
 42分、地下鉄の東京駅のホームへ到着すると、丁度電車が進入して来た。これに乗りここから2つ目の駅で再び乗り換え、ほぼ確実に19時前に帰社出来るいつもより10分早い電車に乗れたのであった。電車の中でもまだ息が整っていない。

『俺も年を取ったものだ・・・なーんて、まだ俺20代じゃん。』

 帰社すると、当然のごとく集めてきた検体を整理している彼女の姿が。それにしても何だか今日はみんな帰社時間が早く、いつもの金曜よりは沢山の人が帰ってきていて、同じ班の近藤さんや他の人たちもみんな居る。

『まずいなー、これじゃあ危うくなってきたな』

 どうにか彼女が1人になった時を狙うしか方法は無く、みんながいる前じゃあとても誘いにくい。上に上がってしまえば社員の人達もいるだろうし、日報を書いてそれで仕事は終わり。そうこうしているうちに彼女は整理を終えて上に上がってしまった。せっかくここまでいい感じできていたのだが、ここへ来て飛んだピンチを迎えてしまったものだ。でも明日の土曜は彼女は出勤日。明日にするかと半分あきらめモードに入りながら、自分も上に行き日報の整理。しかしやはり今日は何かが違かった。俺が日報を書き終えた頃、彼女は帰宅の準備をしながら1人で給湯室に手を洗いに行ったのに気付く。いつもはそんな状況見過ごしていた俺だ。

『そうだ、給湯室は上で唯一密室になる場所』

 1人で手を洗っているのを確認し、自然と俺はそこに足を向けたのだった。誘い言葉はあらかじめ電車の中で決めていたので、すんなりと言葉が出てくる。

「近藤さん、ちょっと話があるんですけど・・・」

「何?・・・ちょっと待っててね?」

 そう言って洗って濡れた手を拭いた。

「どうしたの?」

 さあ・・・、言うか。

「今の俺の回っているコース、あと2週間で廃止になっちゃうんです」

「えっ!? その廃止になるのって今年いっぱいまでじゃなかったの?」

 班長が話したのだろうか、俺のコースが廃止になるって事は知っていた。

「いや、もう7月の始めで終わりなんです。俺は1ヶ月前から言われていたんで・・・」

「ずいぶん急なんだね。すごいビックリだよ。もうここで続けられないの?」

「・・・、近藤さんも知っている通り、目がこんなんだから車で廻る他のコースへは移ることは出来ないんだ。7月の始めにコースが終わった時点で解雇っていう事になります」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「だから・・・、その前にどうしても近藤さんに話しておきたい事があって・・・。それまでにいつでもいいから2人で会う時間を作って貰えませんか? ほんの少しでいいんで・・・」

「・・・、どうしよう・・・」

「頼みます!! お願いします!!」

「んー・・・、今日なら・・・、今からなら少しだけいいよ?」

 今日。という事はこの後いきなり告白タイムである。しかし俺は迷いは無かった。やっぱり今日起きたチャンスは神が与えてくれたものなんだと実感したのだ。

「いいですよ、近藤さんが良ければ」

「じゃあ行こうか。もう仕事終わったでしょ?」

「ええ」

 こうしてまた2人で一緒に帰る事に。まさか今日になるとは思ってもいなかったが、もう俺の胸の中は覚悟を決めていた。不思議と恥ずかしさや緊張感は微塵も無く、胸の中の心は冷静で落ち着いている。2人でタイムカードを押して会社を後にした。
 すっかり暗くなった夜道をまた2人で歩く。

「私ねぇ、最近駅とは逆に帰ってるんだ。知らなかったでしょ?」

「え!? そうなんですか?」

「とにかく今日は駅まで付き合うから」

 逆に帰ってるって事は、確かに帰り会わない訳だよな。しかしその理由は聞かなかった。

「俺、何か今まで近藤さんにお願いばっかりして来ちゃいましたよね。何か申し訳なくて」

「そんな〜、同じ班の他の人からだってよく飲みに行こうとか誘われて普通に断ったりしてるよ?」

「でも俺なんかと違って他の人はもう3年も前から知っているじゃないですか。俺なんかまだ知り合って4ヶ月で相当誘っているからなぁ。変な人だと思われたりしてるんじゃないかと思ってね」

「ふふ、そんな事ないよ」

 さて、駅まですぐだしここから本題に入らなければならない。最初に彼女と帰った時、ガード下の公園でお喋りした場所で再び俺は足を止めた。幸い周りには誰もいない。

「すみません、またここでちょっとお願いします」

「うん」

 彼女を思い続けて長かった3ヶ月、ついにやっとこの日を迎える事が出来た。結果はどうであれ、今までの思いをすべて吐き出したい。まさに玉砕覚悟で。そして「ふぅー」っと心の中で一息つき、俺は話し始めた。

「今まで本当にいろいろ誘ったり、無理なお願いばかりしてきました。一緒に帰って貰ったり、飲みに行こうだの誘ったり、メアドや番号をメモに書いて勝手に机に置いてしまったり。でもね、これにはきちんとした理由があるんです」

 夜風で髪をなびかせながら彼女は黙って聞いてくれている。

「・・・、俺は初めて近藤さんに会った時、胸が一瞬でドキッとなったんです。そう・・・、俺は近藤さんに恋をしてしまった」

 それを聞いた彼女は驚きを隠せない。

「えっ!? だってまだ会って3ヶ月だよ?」

「だから・・・、つまり近藤さんのおしとやかで真面目な姿にひと目惚れしたんですよ。こないだ話したけど最初は年下かと本当に思っていたんですが、年上だと分かったときはビックリしました。でも、年齢なんて関係ないし、俺の気持ちは変わらない」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「何て言うのかな? こんな気持ちになったのは生まれて初めてなんです。一応こんな俺でも少しの恋愛経験は有りましたが、こんな熱い気持ちになったのは本当に初めてなんですよ。だからこのコースに移って、席が隣だと分かった時はとても嬉しかった。そして初めて近藤さんが話し掛けて来てくれた。その時は恥ずかしくて一言返しただけでゴミを捨てに行っちゃいましたが、心の中は最高でした。
 毎日毎日家でも、仕事の電車の中でも近藤さんの事を考えっぱなし。しかもこのコースだから時間が合わずになかなか顔を合わせる事が出来ない。だからなるべく速く帰社出来るように、実は乗換えで広い東京駅の構内を早歩きで進み、19時前に着こうと努力していました。そういえばいつもより早く帰社してるなぁーなんて感じたでしょ?」

「・・・うん、そうだね」

「あんまり裏の事話すのもどうかなと思うけど、今日なんかもそうやって19時前に帰社したんですよ。近藤さんにどうしてもひと目会いたくて。真剣に近藤さんの事を好きになってしまったから」

「そうだったんだ・・・」

「ただ、ご存知の通り今の俺は最悪な状況にあります。目は病気になるし、解雇も決まりました」

「目は大丈夫なの? ここでこれからも続けていかないの?」

「目は今の所大丈夫です。仕事は・・・、相談したんですが、やっぱり内勤は人が一杯らしいです。第一検査員の資格なんかこれからそう簡単に取れるもんじゃない訳だし。早く目を治して別の仕事を見つけないと」

「そうか・・・」

「でも、こんな状況ですが、俺は自信を持っている事もあるし、きちんと夢や目標だって持って生きています。だから変な同情だけは絶対にしないで、これから俺の言うことを聞いてほしい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「俺は・・・、俺は近藤さんの事が好きです!! 付き合ってください!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 ・・・どれくらいだろうか。しばらく沈黙が続き、辺りは夜風に揺れる木々の音しか聞こえなかった。やっぱりいきなりの事で悩んでいるのだろうか。

「あっ!? 別に返事は急いでいないんで。今じゃなくても後日で大丈夫ですから」

 そう伝えると、彼女は静かに口を開いてこう言った。

「・・・、あのね・・・、私今彼氏がいるんだ・・・。西田君知らなかった?」

 ・・・ガーン。

「・・・ええ、知らなかったです。・・・やっぱりそうでしたか」

 彼女には彼氏がいた。ある程度予想はついていた事だが、実際こうして初めて本人から聞かされると辛い。しかしだとしたらさっきまでの空白の時間は何だったのだろうか。彼氏がいるのなら、すぐにそう答えてもおかしくはないはず。きちんと考えてくれているので、ほんの少しだけ期待しちゃっていた俺だった。彼女は優しいから、何とか傷付けないようにと考えてくれていたのかも知れないね。まぁ、最初から玉砕覚悟だったけど、思っていた通り振られたな。

「彼氏が居るから・・・、いろいろ誘ってくれたけど・・・、男の人と2人きりでなんてちょっとまずいでしょ?」

「・・・、やっぱり近藤さんは真面目な人なんですね? そんなあなたに恋が出来ただけで良かったですよ」

 すべてを吐き出した今、俺の胸の中はとてもすっきりしている。結果はともかく、辞める前に思いを伝えられて本当に良かったと思っている。

「俺の伝えたいことって言うのはこの事だったんです。これで俺も報われましたよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 彼女は何か申し訳なさそうに黙り込んでしまった。

「本当はね・・・、俺、もっと時間が欲しかったです。近藤さんに会ってまだ4ヶ月ちょっとですもんね? 今のコースに就いた時、この廃止と解雇を覚悟の上で、長くは続けられないだろうと分かっていながらやってきたんで、何とかこの短い間に俺なりに頑張ってアプローチしてきました」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「だから今までの近藤さんに対しての俺の行動は、不器用ですがこんなに真剣で熱い思いがあったって事だけ分かって下さい。決してふざけてだとか、遊びでだとかではないって事を・・・」

「うん・・・」

 暗闇の中で彼女はずっと俺を見つめながら話を聞いてくれた。
 さてと・・・、少しだけの時間の約束だし、言いたい事は言えたからそろそろ帰るかな。

「今日はありがとうございました。すみません少し長引かせてしまって。また明日から短い間ですけどよろしくお願いします」

 そう伝えてさよならしようと思っていた俺。

「・・・こちらこそありがとう」

 ありがとう。それから俺は何度も帰るそぶりを見せたのだが、彼女は何度も何度も俺にありがとうの言葉を言って、すぐには帰るようなそぶりは見せなかったのだ。

『どうしたんだろう?』

 とにかくこのままでは沈黙が続いてしまうので、再びこの場所で20分程世間話をした。会社の皆の事、趣味のバイクの話等。振られはしたが、やっぱり彼女とこうして2人で会話出来るなんてとても嬉しい。そう・・・、振った振られたからって、別にお互い変な意識を持つようなギクシャクした関係にはならなかったのである。だからこそ、この後も円満に会社を退職出来たんだと思う。良かった・・・。
 帰りは駅とは逆の方向へ向かう彼女だが、駅まで俺と一緒に付き合うって言ってくれた。しかし俺はこの場所で別れた。

「ありがとうございました!! お疲れ様です!!」

「お疲れ様」

 1人で帰って行く彼女の後姿をしばらく見送った。

「ふぅ〜、これで終わったか・・・、俺の不器用な恋物語も・・・」

 そう思いながら公園のベンチに座ってしばらく1人になっていた。6月半ば過ぎの暑いはずのこの季節、何だか本当に久しぶりに胸がすぅーっとして、涼しい夜風とともにとても清々しい。
 本当に今回の俺は頑張ったと思う。誰かの言葉じゃないけど、まさに自分で自分を褒めたいと初めてそう思った。今までの3ヶ月間の苦しみが走馬燈のように頭に流れ、本当に苦しんで苦しんだけど、いい意味で俺もやれば出来るっていう自信が少し付いたような気がする。・・・いい恋をしていたんだなぁ。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「!! ・・・そうだ、レッドにも結果を教えてやらねば。今さっき告白してたなんて知ったらビックリするだろうなぁ」

 早速携帯を手に取りTELしてみることに。

「おおー、どうしたよ?」

「いやさ、ようやく彼女に伝えたい事全部伝えられたよ」

「なんだって!? ついに告白したのか?・・・いつだ?」

「・・・今さっき」

 俺は今までの事をレッドに全て話した。一応この恋で彼にはいろいろと世話になった訳で・・・、それに俺だってやる時はやるって事を知ってもらいたいし、この特別な時間の出来事を詳しく教えたかったから。

「・・・偉い!! こんな状況でよく言えたよ。俺は今まで何だかんだ軽く言ってきたけどさ、なかなかそんな真面目にシチュエーション作って思いを伝えるなんて出来ないぜ?」

「まあな。・・・とにかくもう言うしかなっかたからさ」

 で、まだ肝心なことを教えていない。その事で当然のごとくレッドから質問が。

「それでさぁ、結果はどうなったんだ? 今の君のその様子だと・・・もしかして成功したか!?」

 成功。なぜレッドはそう思ったのだろうか。それは俺の電話での伝え方に答えはあった。いきなり結果が分かってしまうのもつまらないと思い、成功したって感じで嬉しくてしょうがないけど、あくまでも冷静な感じで言ってやったんだ。そしたら見事に引っかかってくれたもんだよ。

「結果かぁー、・・・彼氏がいるからって振られたよ。当初の予想通り、西田神風特攻隊員!! 玉砕いたしました!!」

「ははははは、何だよそれ」

「考えてもみろよ、成功してりゃ今頃は君に電話なんかかけないで、そのままラブラブしてるだろうよ」

 くそー、彼女とラブラブしたかったー!! 彼女のあの声で、甘えてくる言葉が聞きたかったー!! ・・・ふぅー。

「そうかー、駄目だったのかー。・・・でもさぁ、本当いい恋が出来たんじゃないか? こんな事って滅多にないだろうし、そう考えるとすごく羨ましいよ」

 レッドには今まで逐一状況を報告したり、何度も家に行って相談にのって貰った。だから俺のこの3ヶ月の苦しみやこの恋に対しての真剣さも十分に分かっている訳で、そんな熱い気持ちになれた事にそう感じたのだろう。レッドだけでなく周りの友達には今真剣に恋をしてるっていう事を相談していたのだが、状況を全部話すとやっぱりみんなに羨ましがれた。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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