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コケティッシュな微笑み 作者:晶子

第6回   6
 長いキスから唇を離した。
 言いようのない甘い快楽が私の全身にみなぎり、心がとろけそうになる。
 私はそんな思いを気づかれないように、ゆっくりと息を吐いて心を静めた。
「真由美、あれから、何人の男と寝た?」
「どういう意味?」
「キスがとてもうまくなった」
「独学よ」
「独学で、そんなに上手くなるものなの?」
「多分ね」
 私は、口元だけで笑うと、上目使いに凌ちゃんを見た。
「その続きも、お手並み拝見したいな」
 凌ちゃんは、私の髪をこめかみからかきあげ、胸元に私を引き寄せると、耳元で囁いた。
 私は、緊張と、快感と興奮でドキドキしていたけれども、必死にそれを抑え、少し色めいた低い声で、囁いた。
「拝見できると思ってるの?」
「真由美さんを口説くには、一筋縄じゃいかないってこと?」
「何言ってるの、そうじゃないでしょ、でもそうねぇ、凌ちゃんこそ、どれだけ口説き方が上手くなったかお手並み拝見させてよ」
「俺の場合は、今も昔も、単刀直入さ」
「例えば?」
「例えば・・・、有無を言わさず、行き先はもう決まってる」
 車はホテルの前で、ウインカーを出した。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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