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ベタが経緯。 作者:ァキラ

最終回   22時38分。








 地面を見すぎてて、いきなり空を見上げたらグラッと来た。最近よく東京に行くなぁと自分ではじめて気づいた。



 マックよりもどっか不味くてもいい安い喫茶店で。んなこと考えて迷い込んでたら、食欲を無くして結局コンビニの炭酸飲料で腹を膨らました。



 狭いなぁ、と呟くのもわざとらしいかな。でも狭いんだもの、空。田舎の町だって、そりゃあ電線やらなんやらで結構邪魔な空中だけど。でも何か違うんだよなぁ。なんか。貼り付いてるみたい。空に描いた空が貼りついたみたい。…後ろのおばさんにド突かれた。



 家出ってわけでもないんだけど、変化がほしかった。平凡すぎてつまらなかった。人一人ぐらい叫ばせてもいいぐらい何か無償に物驚くものがほしかった。だからここに来たのかもしれない。



 でも目立ちたくなかった。地味に居たかった。静かでピタッと、死んだみたいに誰にも気づかれたくなかった。人、人の中で小さくなりたかった。だからここにいるのかもしれない。



 でも自分を見てほしかった。世界中で一人だけでいいから。自分をすごくわかろうとしてくれる人がほしかった。私に全部を曝け出してくれる人を見つけたかった。二人だけでお互いを見つめていたかった。だからここに生きているのかもしれない。














 何だか寂しくなって、携帯電話を見た。
22時37分。誰からの電話も、メールも入ってない。




 こんなに人がいっぱい私の周りを歩いているのに。




































 私の周りには、誰もいない。






































 いっそ私の目の前が真っ赤に染まってしまえばいいのに、

























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06/08/02
あたし、に綴る。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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