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ささいなこと 作者:快新平

最終回   1
「ささいなこと」
ニュースでも、学校でも、家でも耳にする、聞きなれた言葉。





「こんなささいなことで、人を殺そうと思うなんて・・・。」
ある、少年犯罪のニュースで、キャスターが口にした。
私は、ふと、疑問に思った。

ささいなこと?

それは本当に、ささいなことなんだろうか。少なくとも、その少年にしてみれば、相手を殺してやりたいくらいに思う出来事だったのではないか。確かに、あなたたちにとっては、「ささいなこと」かもしれない。でも、当事者の心は置いてきぼりじゃないか?





いじめられていると、親に訴えた事がある。
「そんなささいなこと、気にするんじゃない。」
それが親の返答だった。

ささいなこと?

私がこんなに苦しんでるのに、それはささいなことなの?
「デブって言われたくらい・・・」
「キモイって言われたくらい・・・」
「ウザイって言われたくらい・・・」
じゃあ、あとどれくらい苦しんだら、ささいなことじゃなくなるの?
私は、死にたいくらい苦しいのに・・・。





いじめじゃないか、と思うことを、教師に訴えた事がある。
「大丈夫じゃない?ささいなことだもの。」
教師の返答。

ささいなこと?

彼女は泣いていたよ?彼女は私にすがってきたよ?彼女は結局、学校に来なくなったよ?
それでもささいなこと?
あなたにとっての「ささいなこと」は、彼女が学校に来られなくなるまで、追いつめたんだよ?
「友達ができないくらい・・・」
「成績が悪いくらい・・・」
「親友に裏切られたくらい・・・」
あなたの定規で、私たちを見ないで。
私たちは、あなたたちが思っているほど、強くないの。





「ささいなこと」
口にする前に考えて欲しい。
相手の気持ち。当事者の気持ち。聞く側の気持ち。
あなたたちにとっての「ささいなこと」は、私たちにとって「大事件」。
あなたたちが思っているほど、私たちは気軽に生きているわけじゃない。
私たちは、毎日戦争なんだ。あなたたちの言う、「ささいなこと」で戦争をしてるんだ。




「ささいなこと」だけど、お願いしたい。
口にする前に考えて欲しい。
ちょっと待って。それは本当に「ささいなこと」?

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Novel Editor by BS CGI Rental
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