「ささいなこと」 ニュースでも、学校でも、家でも耳にする、聞きなれた言葉。
「こんなささいなことで、人を殺そうと思うなんて・・・。」 ある、少年犯罪のニュースで、キャスターが口にした。 私は、ふと、疑問に思った。
ささいなこと?
それは本当に、ささいなことなんだろうか。少なくとも、その少年にしてみれば、相手を殺してやりたいくらいに思う出来事だったのではないか。確かに、あなたたちにとっては、「ささいなこと」かもしれない。でも、当事者の心は置いてきぼりじゃないか?
いじめられていると、親に訴えた事がある。 「そんなささいなこと、気にするんじゃない。」 それが親の返答だった。
ささいなこと?
私がこんなに苦しんでるのに、それはささいなことなの? 「デブって言われたくらい・・・」 「キモイって言われたくらい・・・」 「ウザイって言われたくらい・・・」 じゃあ、あとどれくらい苦しんだら、ささいなことじゃなくなるの? 私は、死にたいくらい苦しいのに・・・。
いじめじゃないか、と思うことを、教師に訴えた事がある。 「大丈夫じゃない?ささいなことだもの。」 教師の返答。
ささいなこと?
彼女は泣いていたよ?彼女は私にすがってきたよ?彼女は結局、学校に来なくなったよ? それでもささいなこと? あなたにとっての「ささいなこと」は、彼女が学校に来られなくなるまで、追いつめたんだよ? 「友達ができないくらい・・・」 「成績が悪いくらい・・・」 「親友に裏切られたくらい・・・」 あなたの定規で、私たちを見ないで。 私たちは、あなたたちが思っているほど、強くないの。
「ささいなこと」 口にする前に考えて欲しい。 相手の気持ち。当事者の気持ち。聞く側の気持ち。 あなたたちにとっての「ささいなこと」は、私たちにとって「大事件」。 あなたたちが思っているほど、私たちは気軽に生きているわけじゃない。 私たちは、毎日戦争なんだ。あなたたちの言う、「ささいなこと」で戦争をしてるんだ。
「ささいなこと」だけど、お願いしたい。 口にする前に考えて欲しい。 ちょっと待って。それは本当に「ささいなこと」?
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