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イイ子と病気と私の生活 作者:快新平

第5回   快新平の言いたい事
 私は、とにかくこの病気に対する偏見を無くしたい。

 この病気は、確かに、あまり酷い病気には見えないかもしれない。けれど、この病気にかかっている多くの人は、自分の身体が思うとおりにならない事に苛立ち、周囲の目や、迷惑を気にしている。時には、自殺さえ考える人もいる。
 実際、私だってそうだ。親戚の目を気にして、未だに、病気のことも、転校のこともはなせていない。時には、自分の身体が思うようにならずに、いらだって、者や人にあたってしまう事もある。そして、決まってその後、自己嫌悪に陥るのだ。最終的には、「今、死ねたらどんなに楽だろう・・・。」などと、考えることもある。

 助けて欲しい。そう訴える事ができずに、この病気で苦しんでいる人がたくさんいる。ちょっとした事がストレスになり、病気を悪化させてしまっている人もいる。
 もし、この病気で苦しんでいる人がいたら、伝えたい。「苦しいのは、あなた1人じゃない。みんなで助け合おう。」
 もし、この病気に偏見を持っている人がいたら伝えたい。「誰にだって、疲れてしまうときはある。そんな時は、あなたの助けが必要なんです。」

 けれど、この病気は、服薬や、その他環境の改善などで、必ず治る病気である。しかし、長い時間がかかることは事実だ。少なくとも半年、長い人では10年以上この病気と付き合ってる人もいるという。さらに、心理的な要因で、再発してしまう事もある。

 分かって欲しい。世の中には、強い人も、反対に弱い人もいる事を。その弱い人の中でも、苦しんでいる人がいる事を。
 どうか気付いて欲しい。あなたの隣の人が、いま、どんな思いで、生きているのかを。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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