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長女の憂鬱 作者:快新平

第1回   学校生活
 「姉ちゃんはいいよね。頭いいし、信頼あるし。私なんかいつも姉ちゃんと比べられるんだよ?『快新平の妹』って呼ばれるし。私個人を見てくれないんだよね。」

 妹が何の気なしに私に向けた言葉。それが私をちょっと傷つけた。

 私は、妹を1人の人間としてみてもらうためには邪魔なの?



 私は、二人姉妹の姉。長女として、長女らしく育った。

 気は利かないけど、お人よし。姉御肌で、頼りにされるリーダータイプ。なおかつ、勉強もそれなりにでき、先生の言う事をよく聞く優等生。

 でも、小学校高学年から、中学生の人間にとって、そういう人間は目ざわり極まりないものらしい。私は、いつもいじめの対象だった。

 友達がいない子がクラスにいると、私は何故かそういう子に懐かれ、教師の頼みもあり、その子の友人として生活する。友人がいないその子も、いじめの対象で、それをかばう私は、ますますいじめの対象になる。

 もちろん、普通の友人も何人かはいた。表面的な付き合いが多かったけど。中には何人か親友と呼べるまでの友人もいた。けれど、結局裏切られた。



 一方妹は、明るく、気の利く次女。立ち回りがとにかくうまい。

 それほど、頭はよくないけど、友達も多く、何故か先生までお友達感覚。同性の友人も多かったが、異性の友人も多かった。

 さっぱりした言葉使いのせいか、それとももともとの性格からなのか。私と似たような顔立ちなのに妹はやたら男にモテた。私は、好きな人はいても、告白された経験なんて一度もなかったのに、妹はやたらに告白されていた。



 私は、妹が羨ましくてしかたなかった。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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