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子供の言い分 作者:快新平

最終回   未熟な大人
少年犯罪のニュースが、ワイドショーをにぎわしている。

「犯罪を犯す少年の心理」
そんなもの、いくら考えたってわからないのかもしれない。

「年不相応な考え方」
それを作ったのは、本当に私たちだけですか?

「精神年齢と実年齢のギャップ」
私たちが大人になれないのは、わたしたち子供だけのせいですか?



私は、昔から、「大人っぽい」とか、「大人だね」と言われて育った。
でも、本当の私は、まだまだ子供で。
難しい言葉を知っていることが、大人ですか?
周りの年齢に合わせて、話題を選べるのが、それだけの話題を持っているのが大人ですか?



結局私は、周りの大人の真似をしていただけで、本当は子供のまま、ちっとも成長なんかしていなかった。
そんな私を作り出したのは、私?
それとも・・・。



結局、大人になりきれない私は、決め付けることもできない。



大人はズルイ。
逃げる事ばかり覚えて、責任は全て誰かに押し付けて。
その時犠牲になるのは、大人になりきれない子供たち。
今の若者は、ってその若者を育てたのは大人じゃないの?
確かに、複雑化する世の中。
だけど、確かに変わらない事がある。
親は、子を産み、子を育て、その子がやがて親になり。
その流れの中で、問題を子供にだけ押し付けるのはズルイんじゃない?



今、本当に問題なのは、子供ですか?
子供を育てる大人に、問題はないのですか?


本当の大人って、一体なんだろう?

子供の私は、結局答えが見出せないまま。


でも、これだけは言いたい。

私たちが一体何をした?
私たちは無力な「子供」だ。
都合のいいときだけ「大人」扱いするくせに。
逃げているのは、「子供」か、「大人」か。


これは、「子供」の私の言い分。


鬼ごっこの鬼は私でいいよ。
逃げないでちゃんと捕まえるから。


大人になれない私たちは、鬼ごっこを続ける事しかできないのかもしれない。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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