自分の好きなところ

作者：快新平

最終回 　 自分が好きですか？

なんでモテないんだろう？ 　くだらない話だが、それが私の最近の悩みだった。 　多分、最大の原因は私の容姿。 　太ってるし、かわいい顔じゃない。 　でも、同じような顔をした私の妹はモテモテなのだ。 　じゃあ、なぜ？私はモテないんだろう。 　そんな疑問を口にしたら、母にいわれた。 　「あんたが自分を好きじゃないからじゃないの？」 　言われてみて気がついた。私は私が嫌いだった。自分をいつも否定してきた。 　「あのさ、姉ちゃん。好きな人に物をあげるとき、自分の嫌いなものは少なくともあげないでしょ？自分を好きになれない人のこと、好きになる人はいないよ。」 　妹に言われた。ちょっと、耳が痛い。 　母が言った。 　「自分の好きなところ、十個上げてごらん？」 　言われて、あげ始める。 　１個目、目が大きい 　２個目、まつげが長い 　３個目、頭がいい 　４個目、正しい敬語が使える 　５個目、面白いものを素直に笑える 　６個目、善悪の分別がついている 　７個目、優しい 　８個目、真面目で一生懸命 　９個目、歯並びがいい 　１０個目、意外と器用 　上げられた自分にちょっと驚く。 　「その十個、大事にしなね。」 　母が言った。 　「あせらなくても、いつかあんたのいいところがわかる奴が出てくるさ。」 　そうだ、世界は広い。 　いつかは、出会えるだろうか。運命と思える人に。 　私の好きなところを認めてくれる誰かに。 　その時は、自分を大好きになって、大好きな自分を、その人にプレゼントしよう。 　自分の好きなところ、１０個。 　あなたは、自分が好きですか？

Novel Editor by BS CGI Rental
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