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探求同盟 −未来編− 桐夜輝の日常 作者:光夜

第1回   1
 理不尽が嫌い、言い訳が嫌い、僕は人間だけど人間の黒いところが嫌いだ。
 腹の探り合い、騙し合い、派閥争い。
 そんなものに、なにか意味があるのだろうか。自分たちのしていることは、自然界の中で見れば低俗なそれでしかなく、大局を見れば自分たちは小局ですらない。自然と言う大きな器に生かされている。
 そのことを失念して、知能があるから、昔からの文化があるからと、まるで生き物の王様になったつもりでいて、だって言うのに都合の悪いときは他人に任せて何かの原因にして言い訳して。
 「まったく、目を覆いたくなるって言うのは、こういうことを言うんだろうね」
 だから、僕はここにいる。
 私立鳳学園―――幼稚園から大学までを一貫する国内でも数少ないエスカレーター式のマンモス学園。幼稚園へ入園するにも高いレベルが求められ、中学からの外部入学でさえも大学一年目の知識が求められる。
 いわゆる一流校というところだった。部門を問わず、国内で許可された授業全てを受け持ち、一流と呼ばれる会社の経営者、大学教授、国外栄誉賞、など貢献者と呼ばれるものたちを多数排出していることで、実績は確かであると言うことは実証されている。
 「ゆえに、まあ見てみぬ振りをしている穴があるんだよね」
 そういうの、大嫌いだ。
 っていうことで、僕は僕の理論を貫く為に、真っ向勝負でここの試験に合格し、転校生として高等部一年生の六月に転校をしてきたわけになる。んじゃあ、いっちょ穴埋め作業の監督として働きましょうか。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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