「さて、急がないとな」 二人と別れた後孝太はすぐに走り出した、先ほどの会話の最中に頭上を飛んでいくコアが見えたのだ。急いで追いつけば騒ぎになる前に倒せるかもしれない。 「たしか……こっちだったか」 自分の勘を信じ住宅の隙間を縫って走る。 夜となればこのあたりに人の姿は皆無だ、何も無いのなら落ちているかもしれないコアを探すこともできるはずだ。そう思い立ったと同時に視界に入ったのは道の先に落ちているガラス玉―――HVDだ。 「よっしゃ、二つ目」 加速をつけて走り寄る。コアは震えるように振動し今にも形を変えようとしていた。住宅街の中心で騒がれたらかなりの被害が出る。 だが――――ぱりん、と孝太の振り下ろした刀の柄でコアは文字通り割れた。割れたコアは死んだも同然これ以降動くことはまず無い。 「間にあったな」 孝太は深呼吸して言った。 「おっと、ノンビリ構えている暇なんて無いな。次だ!」 自分の記憶を確かめるように今度は反対の方角へ走り出した。目指す場所は廃墟の街。
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