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奇妙戦歴〜文化祭〜 作者:光夜

第35回   第四週1
 文化祭五日前となりこの頃になれば授業は全て午前中になり昼休めを挟んだ午後の授業は文化祭の準備に当てられていた。教室の喫茶店は順調に進んでおりこちらの五人は気にかけるほどのことは起こっていなかった。「かんせ〜い」そう言って喜びの声を上げたのは唯だった。「お、出来たのか」その声を聞いてシンと葵は立ち上がった。「ご苦労様、わあ、綺麗に塗ったね」葵は出来の良さに歓喜の声を上げる。孝太は得意そうにまあな、と言ったが唯はむっと孝太に食いかかった。「よく言うよね、ほとんど私に任せて孝太は見ていただけじゃないの」唯は孝太のさぼりを指摘した。「そ、そうだったか・・・?」孝太は誤魔化そうと頭を掻いたがシンと葵はそうだったと唯の味方をしたので孝太は観念する事にした。「わかったよ、今度からちゃんとやるから」最後に「な、唯」と言うと唯は不満そうに了解した。「ありがとな、それよりも今日もローゼンは来ていないのか」咎めを免れた孝太は部屋の入り口を見ていった。ローゼンは今日も用事があるといって昼休みの間に出て行ってしまった、またイリスの所だろう。「まあ、仕方ないなあいつもあれで忙しいからな」浩太は気にした風でもなく椅子に座った。「何にせよあとはこれをステージへ付けるだけだな、早速行こうか」シンが先頭をきって言うと三人はすぐに頷いた。ローゼンの事は一時忘れて。

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