「え、閉じ込められていた!?」 二人は声をそろえてそう言った。 「そうだよ、原因は判らないが倉庫の扉のレールに棒が取れて挟まってたんだ。何とか普通に出ようと思ったんだが痺れが切れたから」 「斬ったのか」 孝太は頷いたあと締められた首をさすった。葵も隣で唯に謝っていた。 「ったく、何処のどいつだよあんな所に棒を立てた奴は、見つけたら殴ってやる」それを聞いてシンと葵は顔を見合わせた。 「なあ、斑鳩」 孝太は賛同を求めてきた。 「そうだな・・・・」 シンは目を合わさぬように一応返事をした。『知らぬが仏』シンと葵はそう心に決めた。それは誰に対しての仏かは言うまでも無い。 「もう帰ろうよ、これ以上両親に心配かけたくないし」 「そうだな、この権は明日校長にゆっくりと話すとしよう」 四人は倉庫もそのままに家へと帰っていった。 こうして倉庫の監禁騒動は幕を閉じた。翌日には扉は撤去されその倉庫には扉が設置される事が無くなった。もともと誰も寄り付かない場所なので支障はないとのことだった。 ただ業者の間では校長から扉の撤去のみを命じられただけで閉じ込められた生徒の状況や脱出方法がわからないでいた。それについては校長も孝太達から知らされていないので想像も出来なかった。多分物凄い方法で出たのだろうと言う事しか解らなかった。これもあの綺麗に切られた扉からの推測だった。といっても斬られたの方だが。ましてや銃刀法違反を犯す生徒がいるとは夢にも思わない校長と業者だった。それに倉庫の中で孝太は何も学ばなかったわけじゃない。扉を壊す時確かに孝太はある違いを見出した。 ということで、日付が変わった今日の続きをどうぞ。
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