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ねぶの詩集2 作者:ねぶ

第7回   『亡骸に咲く華』
『亡骸に咲く華』

知らぬ人はその姿に憧れる白い悪魔。

長く接すればその恐ろしい実態を知る。

今日も白い悪魔が街を押しつぶそうとしている。

既に100人ほどの人々は悪魔に喰われたらしい。



このままではみんなの心も潰れてしまうだろう。

僕の耳にはミシミシと心のきしむ音が聞こえる。

「どうしてこんなに責めつけるの?」と誰かがつぶやいた。

しかし、そんなつぶやきも空しく吹き飛ばされていく。

見上げた空には白い悪魔の姿しか見えない。



けれど、この悪魔は期間限定。

やがて白い身体は汚れにまみれて消えてゆく。

あんなに憎らしかったはずなのに、

その悪魔が消えていくのが切なく感じられる。

それはきっと悪魔の亡骸の跡に草木が芽吹き、

大きな華を咲かすことをみんな知っているから。



今年も大きな華が咲くのなら、

その花びらは君の心にも触れるだろう。

明日に怯える君の足元には、

小さな芽を顔を出そうとしている。

でも、そのことを君はまだ知らない。

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