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ねぶの詩集2 作者:ねぶ

第49回   『センチメンタル』/『並走区間』
『センチメンタル』

僕の隣にいた君は

やがて蜃気楼となり

そして消えてしまった



変わらずにそこにいるのだろうか?

それとも消え失せてしまったのか?

ここにいる僕の瞳には映らない



だから確認しに行こう

もしも君が消え失せていても

その道のりは無駄ではない



きっと途中には新たな道標が

示されていると信じながら

今日も僕は歩いていける



君と過ごした日々は鮮やかに、色鮮やかに

今も僕の胸の中にはあふれていて

それは明日へのエネルギィとなっているから



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『並走区間』

ずっと並んで歩いていけるような気がしていた

でも、今はそんな君の背中が遠く見える

胸を張って力強く歩を進める君に

よたよたとおぼつか無い足取りの僕

いつか僕は君に追いつけるだろうか?



たとえ、僕と君の進む速さが今は違っていても

進む方向が同じならば追いつけるかもしれない

でも、方向が違っているならば次第に離れ離れ

今は身を裂かれるような想いだけれど

その気持ちもやがて風化してしまうのだろうか?



追いつけるか追いつけないかは知りようもない

ただ言えるのは、君と並んで歩いた日々は

古ぼけ色あせたとしても僕の日記帳から

決して消えはしないだろうということ

ありがとう、ありがとう、本当にありがとう……



いつか日記帳を2人で読み返せる日が来るといい

そして、互いの夢に寄り添っていられたらいい

もしも、それがかなわぬ願いだとしても

君の夢がかなうことを遠い空で祈っている

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Novel Editor by BS CGI Rental
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