■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

ねぶの詩集2 作者:ねぶ

第37回   『太陽』
『太陽』

ああ、あの頃は太陽がまぶしすぎた

僕の黒い心は焼け焦げそうだったんだ

黒い心には夜の闇がよく似合い

僕は闇に紛れて生きていた



焼け焦げた心を冷たい雨が癒してくれた

小屋の中で雨音に包まれていると

僕はいろんなことをを許されている

そんな気がした



でも、何かに怯えて生きるのはもう御免だ

今できることを少しずつこなしていこう

そうしているうちに僕は小屋の外にいた

小屋のまん前だけれども



僕はまだ何かの色に染まっていない

でも、少なくとも黒くはない

黒くないから日光を浴びても焼け焦げない

もう熱くない、痛くない、まぶしくないんだよ



今なら春の陽が心地良いと感じられる

一片の寂しさを交えながら……



*****************************

【あとがき】
東京で暮らしていた頃を振り返りながら書きました。
あの頃は晴れた日中でもカーテンを閉ざして
部屋にこもっている日が多かったです。病んでたなあ・・・・・・。

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections