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ねぶの詩集2 作者:ねぶ

第36回   『ただそれだけ』/『やさしい毒』
『ただそれだけ』

僕は僕で、君は君

嬉しくもないし、悲しくもない

ただそれが事実



それでも君が笑うと僕は嬉しい

そして君が泣くと僕も悲しい

それもまた事実



君と一緒に過ごす時間の中で

共有できる想い出を増やしていきたい

それが僕の望み


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『やさしい毒』

きっと優しさでも人を殺せる

人は優しいだけでは生きられない

抑圧された負の感情はどこへやら


過剰な正の感情の裏側には

過剰な負の感情が透けて見える

そしてその逆も真だろう



無尽蔵の優しさなんて疑わしい

八方美人はどこかで矛盾する

優しさは注ぐべき人に注げたら十分



僕は君を想い、奴を憎む

それは間違っているかい?


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【あとがき】
負の感情が必要以上に追いやられ、
美辞麗句で満ちた虚飾の世界はおそろしいです。
人間なのだから喜怒哀楽の怒や哀だって消せない。
それもまた生きるためには必要でしょう。

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