■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

ねぶの詩集2 作者:ねぶ

第30回   『チャンス』/『ジグソーパズル』
『チャンス』

この長い長いプロローグ

でも、今を諦めてしまえば

それは長い長いエピローグ



************************

『ジグソーパズル』

一昨年の君は10000ピースのジグソーパズルを前に

ほんの1ピースも組み合わせられないでいたみたい

「完成図の見えないパズルなんてやるだけ無駄」

暗く寒い4畳半の片隅でそんな風に考えたのだろう



でもそれが間違いだと君が気づいていたのがわかる

僕の手元のジグソーパズルは100ピースができている

100ピースでは、まだ全体像が見えてこないけれども

それは次の200ピースへの原動力になる



君が100ピースまで作ってくれたから、今の僕がある

一昨年の君に会うことはかなわないけれども

君の作りかけのパズルは確かに受け取った

そして、このパズルを200ピースにするのが僕の役目



ここ2年は厳しい冬で大雪が続いていたけれど

今年の冬は暖冬で、雪もほとんど見当たらない

見上げれば、よどんだ雲のすき間から陽も射していた

← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections