『175』
イナゴの群れが通った後に何も残らない
人々が大事に育てた作物も
可愛がっていた愛玩動物も
みんなみんな食い荒らされてしまう
食い荒らしたイナゴの群れは荒野を残して去っていく
あわれなイナゴの群れを憎んでも仕方がない
でも、残されたものは途方に暮れてしまう……
そんな群れの影には、イナゴを操るイナゴ使いがいるらしい
そしてイナゴ使いは用済みのイナゴを佃煮にして食べている
憎むべきはイナゴではなく、きっとイナゴ使いに違いない
イナゴ使いに矢を放ってみても、イナゴに遮られて届かない
頭を抱えてうずくまる僕の心にイナゴがかじりついて痛いよ
非力な僕に今、できることはイナゴの群れに語りかけるだけ
「その群れをほんの少しだけ疑ってほしい」と
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『最高のスパイス』
一人で食べたらどんな高級ステーキだって美味しくない
あなたと一緒ならたとえカップラーメンだって行列店の味
そんなあなたは僕にとって最高のスパイス
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