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ねぶの詩集2 作者:ねぶ

第27回   『175』/『最高のスパイス』
『175』

イナゴの群れが通った後に何も残らない

人々が大事に育てた作物も

可愛がっていた愛玩動物も

みんなみんな食い荒らされてしまう



食い荒らしたイナゴの群れは荒野を残して去っていく

あわれなイナゴの群れを憎んでも仕方がない

でも、残されたものは途方に暮れてしまう……



そんな群れの影には、イナゴを操るイナゴ使いがいるらしい

そしてイナゴ使いは用済みのイナゴを佃煮にして食べている

憎むべきはイナゴではなく、きっとイナゴ使いに違いない

イナゴ使いに矢を放ってみても、イナゴに遮られて届かない

頭を抱えてうずくまる僕の心にイナゴがかじりついて痛いよ



非力な僕に今、できることはイナゴの群れに語りかけるだけ

「その群れをほんの少しだけ疑ってほしい」と



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『最高のスパイス』

一人で食べたらどんな高級ステーキだって美味しくない

あなたと一緒ならたとえカップラーメンだって行列店の味

そんなあなたは僕にとって最高のスパイス

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