『火の粉』
もしもあなたに火の粉が降りかかってきたなら
きっとあなたはその火の粉を振り払うだろう
誰だってそうする もちろん僕だってそうする
それなのに僕が火の粉を払おうとしたら
冷や水を浴びせかけようとする愚者がいる
彼らにとっては対岸の火事でしかないのだろう
明日は我が身と知らないままに……
火の粉を振り払いながら、僕は街を探索する
この街は大火に見舞われているようだ
逃げ遅れた人々の阿鼻叫喚の声が聞こえる
それにも関わらず、皆気付かない振り
あるいは雨が降るのを神頼みしている
けれども、見上げた空には汚れない空
気付いた僕の周りには再び火が……火が……
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『乗り遅れ』
バス停でバスを見送り続ける
どのバスも僕の向かう行き先じゃない
見送り続けていたら日がくれてしまった
僕の行き先ってなんだったっけ?
バス停の発車案内を見てみれば、
とっくに乗りたかったバスは過ぎ去っていた
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【あとがき】 今月は8日間ほど仙台、新潟に出かけていたもので、 作品の発表間隔が空いてしまいました。 また、年明けから勉強に本腰を入れているので、 ネタを作品にまとめあげる時間や気力がありません。 それはある意味、健全な方向へ向かってきたのかもしれません。 今回の作品はかなりダークな感じに仕上がりましたがw
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