ここ数年で急速に愛煙家にとって肩身の狭い世の中となった。罰金付きの禁煙条例や病院の禁煙外来など、もはや軽犯罪者か病人扱いである。嫌煙派は副流煙を問題と言うが、分煙を徹底化すれば良い。そもそもたばこの煙よりも車の排気ガスや野焼きの煙のほうがよほど有害である。都心での大学時代、帰宅時の私の鼻穴は排気ガスによって黒くすすけていたほどである。 そして今月からたばこが大幅に値上げされた。愛煙家には痛手だが、非喫煙者も無関係ではないだろう。たばこの次は酒の大増税で、その次は炭酸飲料だろうか。明日は我が身である。実際にニューヨーク州では炭酸飲料に課税すべきかが論議されている。肥満につながるからとの理由である。健康は善で、不健康は悪なのだろうか。過剰な健康ブームを懸念せずにはいられない。 もちろん副流煙や歩きたばこで周りに害を及ぼすことは許されないが、リスクを負っても吸いたい人間は吸えばいい。あれもダメ、これもダメと規制だらけの世の中になるほうがよほど恐ろしいと考えるのは少数派なのだろうか。
(2010年10月19日東奥日報夕刊掲載)
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