一日に約90人、一時間に約4人、この国のどこかで誰かが自殺している。1998年に年間自殺者が3万人を突破して以降、毎年3万2000人前後で推移している。自殺者のうち、無職が過半数を占めており、経済的な問題は大きな要因であろう。誰の言葉か忘れたが「お金で幸福は買えないが、不幸を減らすことはできる」とあった。 不景気など自分ではどうにもできない事情が自殺の遠因となっているとするならば、自殺者は「自らを殺す者」ではなく、「自らを殺された者」と呼ぶべきかもしれない。もはや個人が病んでいるというよりも日本社会が病んでいるとさえ思われる。厚労省の推計では自殺やうつ病により経済的損失は2兆7000億円にものぼるという。誰にとっても他人事ではない。 かくいう私の大学時代のある友人も自殺している。携帯へ安否の電話をかけて、友人ではなくその兄が応じた際のショック、やりきれなさを私は今でも忘れることがない。そして、今日もどこかで自殺した人の周りには、やりきれなさを新たに抱えた人たちがいるのだろう。
(2010年9月16日東奥日報夕刊掲載)
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