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ねぶの新聞投稿記 作者:ねぶ

第29回   2010年8月23日東奥日報夕刊掲載
 暦の上ではすでに秋を迎えたが例年にも増して残暑が厳しい。関東以南では連日の猛暑日であり、熱中症で病院へ搬送される人が後を絶たない。「暑さ寒さも彼岸まで」と言うけれど、近年は「暑さ寒さも甲子園まで」といった様相を呈している。その一方で夜になると鈴虫やコオロギの鳴き声も聞こえ、秋の気配も感じられる。
 今夏に限らないが、私の周りでセミの声をあまり耳にしなくなった。私が子どもの頃はセミどころか、夜に近所を一回りすれば電柱にとまっているカブトムシやクワガタムシの一匹や二匹は容易に捕まえられたものだが、今ではめっきり見なくなってしまった。
 それでも我が家にはスズメをはじめ、ヒヨドリやヤマバトなどの多くの野鳥が訪れる。スズメはありふれた鳥と思っていたが、全国的なスズメの数は減少しているという。その要因は諸説あるが、ヒトが関わっていることは確からしい。カブトムシやセミに続き、やがてはスズメも私の周りから消えてしまうのだろうか。ヒトは食物連鎖の頂点にあるが、裾野が崩れて無事な頂点などあるまい。

(2010年8月23日東奥日報夕刊掲載)

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