先日、愛犬の散歩をしていたら声をかけられた。声の主は2年前に私が勤めていた知的障害者施設の利用者の方だった。話を聞くと1年半前に大手スーパーへの就職が決まり、仕事帰りだったという。障害を抱えながらも頑張っていること、そして2年も接点がなかった私に声をかけてくれたことを嬉しく思った。 今月1日より障害者雇用促進法が改正された。改正によって雇用を満たさない企業の国への納付金が増すという。昨年6月の時点では、この法律の対象となる企業の障害者雇用率は2%にも満たないが、障害があろうとも適材適所に配置すれば、企業のマイナスにはなるまい。むしろ納付金を払わずに済み、社会的イメージ向上などのメリットもある。 障害そのものではなく、「障害に対する偏見」が障害者を受け入れる社会的な障壁になっているように思われる。字面を「障がい」と改めるような表面的なことでは改善にならない。障害の有無に限らず、偏見が少なくなり多様性の受容が進んだときに、この国に漂う閉塞感も薄れるのではなかろうか。
(2010年7月9日東奥日報夕刊掲載)
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