バンクーバー五輪が終わった。チーム青森の健闘やスピードスケートの長島・加藤両選手の活躍など枚挙に暇がないが、私が一番印象に残っているのは女子フィギュアスケートである。 韓国のキムヨナ選手が完璧な滑りで優勝し、銀メダルの浅田選手は悔し泣きをしていた。銀メダルだったからでも、キムヨナ選手に負けたからでもないと思う。二度のミスによって最高の滑りができなかったからではないだろうか。得点は205点と自己ベストを更新したが、内容的には彼女の100%ではなかった。 その一方で、八位入賞を果たした鈴木明子選手は競技後、嬉し泣きをしていた。入賞したからでも、自己ベストを更新したからでもないと思う。彼女は120%の力を出せたと感じたから嬉し泣きをしたのではないだろうか。彼女の得点はキムヨナ選手には遠く及ばなかったが、その笑顔はキムヨナ選手に優るとも劣らない。 勝負事は相対評価である。自己ベストを出せば勝てるというものではない。しかし、自らの競技内容に納得できたなら大きな悔いは残るまい。競技者にとっての相対評価は必ずしも明日へつながらないかもしれないが、その内容は明日へとつながっている。
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