明日は、卒業式。中学校生活ももう終わりかぁ。無事に高校受験は終わったけれど、あいつとは違う高校。
明日が終われば、あいつとも・・・
いや!わからないもん!告白したら、もしかしたら、両思いになれるかもしれないじゃない!両思いに・・・なれるかなぁ?ちょっと自信ないかも。
あいつとは、いつも”友達”としてしか会ってなかった。それが、急に告白されて・・・。そんなことしたら、あいつ、どう思うんだろう?私のことを変な風に思っちゃうのかなぁ?
大体、いつもそばにはいたけれど、”恋”の”こ”の字も出てこないような態度だったし。
私だって、最初からあいつのことが好きだったわけじゃない。意識しだしたのは、副生徒会長を頼まれた時だった。
担任の先生に職員室に呼び出された時のこと。
「先生。話ってなんですか?」 「あぁ。横川に、副生徒会長をやってもらいたいと思って。」 「えぇっ!?私が?いや、遠慮しておきますよ。他の人に頼んでみてくださいよ。」 「そうかぁ?そこを何とかやってもらいたいんだよ。なんてったって、横峯からのご指名だからなぁ。」 「横峯君からのご指名?」 「横峯が、生徒会長で、横川が副生徒会長。良いと思うんだけどなぁ。もちろん、もう一人副生徒会長はいるけどさ!」
その時から、あいつのことが気になりだした。もしかして・・・ってね。でも、もしかするようなことなんて、一度もなかったなぁ。
あいつは、いつもしっかりしていて、生徒会長らしい生徒会長だったなって思う。
普段の生活の中でも、他の男子たちと比べたら、しっかりしていたと思う。
「おい!お前らもちゃんと掃除しろよ!」
ほうきで遊んでる他の男子たちを叱ったこともあったなぁ。叱られた男子たちは、それから真面目に掃除してた。みんなから好かれてたあいつ。
バレンタインデーなんて、大変だったみたい。1年生の時から、チョコをたくさんもらっていた。3年生の時は、親友の山科美沙に、心配されちゃったんだ。
「ねぇ、かおりはあげなくていいの?」 「え・・・私は、別に・・・。」 「そんなこと言ってたら、他の女の子に取られちゃうよ。」
そう言われたけれど、結局、あげずに卒業式を迎えてしまう。
「かおり、横峯君に言わなくて良いの?」 「えっ・・・。」 「もう卒業式だよ。明日を逃したら、思いを告げずにお別れしちゃうことになるんだよ。」 「・・・うん・・・。」
卒業式の前日の夜、美沙から電話がかかってきた。明日、告白しようと思っていた矢先のことだ。
「ちゃんと言った方が良いよ。横峯君だって、あんなにもてるのに、彼女がいないんだからさ。チャンスだよ!」 「・・・そうかなぁ・・・。」 「大丈夫だって!きっとうまくいくよ!」
美沙に励まされたら、なんだか元気が沸いてきた!大丈夫な気がしてきた!単純だな、私って!よし!明日は、頑張って告白するぞ!
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