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隣の彼女 作者:愛田雅

第1回   気になる女
1ヶ月前に、僕はこのアパートに引っ越してきた。

「引越しと言えば、引越しそば。でも・・・、どこまで配ればいいんだろう?」

幸い、僕は角部屋で、隣は一部屋しかなく、僕は、隣にだけ配ればいいだろうと思い、引っ越してすぐに隣の部屋を訪ねた。

隣の郵便受けには、苗字しかなく、何人分そばを配るべきかわからなかった。しかし、自分の部屋を思い返して見ると、同じ間取りだとすれば多くても二人だろうと思い、二人分を持っていくことにした。

ピンポーン

「はーい!」

中からは、甲高い声が聞こえてきた。そして、すぐに、小走りしているだろうと思われる、かわいらしい足跡が聞こえてきた。

ここには、女性が住んでいるのだと確信した。

ガチャッ

ドアが開くと、そこにはすらりと背の高い、華奢な感じで目がとても印象的な女性がいた。その瞳にうっとりと見とれていると・・・。

「あら、どちら様?」

ポーッ

その声を聞いた途端に、顔が熱くなってきた。声も華奢な感じで、僕は一瞬で恋に落ちてしまったのだ。

「あ、あの・・・。隣に引っ越してきた、丸山です。これ、もしよかったら、どうぞ。」

そばを差し出すと、女性はすぐにそばに手をかけると・・・

トクン・・・

かすかに指と指が触れ合った。僕の鼓動は、言うまでもなく早くなっていたのだが、女性は冷静にそばを受け取っていた。

「ありがとうございます。」

にっこりと笑って、そう言ってくれた。その笑顔が、たまらなく愛しく思えた。

「あ、はい・・・。あ、あの・・・、よろしくお願いします。」

軽く頭をさげて、そう言うと、女性はまたもにこりと微笑んでくれた。

それからはと言うと、大して話をすることはない。たまに朝、ゴミ捨て場でばったりあったときに、挨拶をしたりするくらいだ。

もっと近付きたいのだが、どうしたらよいのだろうか?

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Novel Editor by BS CGI Rental
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