高校三年、冬。
進路は決めた。 誰に反対されようが仲間と共に音楽で生きる。 決して変らない僕の強い気持ちに、廻りは諦めたように僕を放り投げた。 元々、そんな環境だったのだ。使えない物は、さっさと棄てればいい…。そんな、環境の子どもだったのだ。
君が残したたくさんの言葉と、僕らのバンドの証を胸に。
君がいた一年、まるで幻のような一年だけどちゃんと実在するのだろう。 君がいなくなって、不安がっていた僕はどれほど愚かだったのだろうか、だって僕の中に、これだけ君が思い出として残っているというのだから。 考え方や価値観、理念すら君によって開化されてしまった僕。 君色に染められすぎた全ての世界、君の瞳としてこれからを生きるのか。 ふっと口にした言葉、君が使いそうな口調、君を見つけた瞬間言いようの無い嬉しさに包まれる。
『君は此所にいるんだね』
心の中に呟いてみると、必ず決まって君の笑顔が目の前に浮かんだ。
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