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フシギノクニヘタビダトウ 作者:糊塗霧 隙羽

第3回   フシギノクニヘタビダトウ
辺りを見回した。よく見ると洞窟のあちこちに木の柱があった。

崩れないようにする支えなのだろう。つまりここは人の掘った洞窟。

けどこんな場所があったなんて知らなかった。一体どういうことなのだろうか。

「もうつーかれーたぞー!」

ビッグさんが騒ぐ。「ついてきたのはそっちだしもうちょっとがんばれ。」

と俺が一言言うと「無理じゃ!無理じゃ!」と迫ってきた。俺の人生で一番恐かった

そんなこんなで数時間結局何も見つからなかった。時計はもう5時を指してい


「私・・・・門限なの・・・。」

マチがつぶやいた。

「じゃあ、しょうがねぇーな。帰るか。」

ビッグさんがそういったときだった。

チリーンと鈴の音がした。同時に「おまたせー」と女の人の声も。

あわてて辺りを見たが誰も居ない。

なんだろうと思っていると、天井のほうからガチャ!と扉が開く音がした。

ついでに、泉のなかに何かが落ちた音も。

「な・・なんだぁ?」

皆びっくりして泉を見ると中には女の人が一人「あいたたた・・」とお尻を擦ってい
る。



全員どうしていいのかわからないので、とりあえずじっと見ていた。

「ちょっと、ちょっと!何見てんのよ!もう!」

「いや、あんた誰?」

「あ、私!?私はね、不思議の国の案内人!」

「・・・え?」

「えっと、今回行くのは誰と誰かな?」

そういって、女の人はあの、本を拾う。

「上田博康君に、幸田麻智さんに、星倉喜代美さんね。OK。」

「いつの間にあたしの名前まであるんだよ!」

「いや、俺がさっき書いた。もしかして、行きたくない?」

「何言ってんだよいくに決まってんだろ!」

こうして言い争ってると、女の人が、

「喜代美さんは参加でいいのかな?どうかな?」

と聞いてきた。

「もちろんだ!」

ビッグさんは大きな声で元気に答えた。

「それじゃあ3人ね。」

そういうと、女の人は指をぱちんと鳴らした。すると、本に書いた文字が宙にうき、

女の人が持ってた、メモみたいなものに移った。

「それじゃあいくわよ。さぁ、こちらへ。」

と、僕らに言うと、女の人は水の中へと沈んで行った。

「え!?ちょっと・・おい!」

「どうする?俺らも行くか?マチ」

「うん・・・・行ってみよう。大丈夫だと・・・・思うし。」

そして俺とマチも水の中へと入っていった。

一方、ビッグさんは、未だに立ち尽くしている。

「おーいビッグさんは来ないのー?」

と、俺が呼びかけると、「う、うるせぇ!あたしはカナヅチなんだよ!」

と、叫び返してきた。「大丈夫だって!溺れないよ!」

と説得したが、「無理じゃー!!」と、入ろうともしない。流石に、イラッと来たの


「マチ、ちょっとごめん。待ってて。」

「え・・・うん・・。」

「なんだよ!?あたしを殺すきか?」

ビッグさんが後ずさりをする。それを俺は・・・・

「もたもたしねーで行け!」

と泉にぶん投げてあげました。ビッグさんは、

「ぎゃああ」と叫んだ後ゆっくりと進んでいきました

「ほんとに世話が焼ける。」

そういいつつ自分も水の中へと進んでいった。

またも不思議なことに、呼吸が出来る。苦しくない。

ビッグさんがもたもたしてたせいで案内人の姿は見えない。

とっくに行ってしまったのだろうか。そのとき後ろから急におじいさんが現れた。

頭はつるっぱげで、長いあごひげ、口ひげをしていた。

「よっ&#9829 」

「ぶっ!?ぎゃあああ!」

おじいさんが、マチをつついた。凄まじく驚いてるようだ。

「わしは二人目の案内人じゃよ、お嬢さん。化け物じゃない。驚きなさんな。」

マチは聞いてない・・・。とりあえず、ほっとくことにしよう。

「わしは一人目の案内人を客が見失ったときに案内をする。さ、ついてきなさ
れ。」

そういうとおじいさんはにっこり笑った。











・・・・・それからどれぐらい歩いただろうか。水の道はとても長かった。

皆すでにばてている。なのに、なんでこのおじいさんは元気なんだ・・・?

「もう少しじゃよ。ほら、しゃきっとせんか。」

そしてやっと、水の道の終わりが見えてきた。

ついに到着だ。ここが不思議の国か・・・。俺はここまで連れてきてくれたおじいさん

にお礼を言おうと思ったが、すでにそこにおじいさんの姿はなかった。

やっぱり不思議な国なだけに不思議なことばっかり起こる。

「・・・ねぇ、この先どうするの・・。」

マチが小さな声でつぶやく。

「適当に見て回っていいんじゃないの?」

俺がそういうと、急に隣から「そんなわけないでしょ。」と声がした。

さっきの女の人だ。いつの間に現れたんだろう・・。さらに女の人は続ける。

「ここは普通の人間が入ると危ない場所もあるの。だから、案内人が必要なのよ。
あちこち行っちゃ駄目。」


・・・まぁ、こんな得体も知れない国うろつく気にはなれないがな。

と俺は思った。迷って帰れなくなるのも嫌だしとも思った。

「とりあえず、大まかな説明はするから今度はついてきてね。」

ちょっと、嫌味も入ってるような言い方をして女の人は歩いていった。

あわてて俺たち3人も後をついていった・・・・。


つづく。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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