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フシギノクニヘタビダトウ 作者:糊塗霧 隙羽

第2回   フシギノクニハドコダロウ
俺たちは、言われたとおり玄関前から右4上3右30上50の場所を目指していた。

実際俺はそこがどこだかわかっていなかった。

マチは違うようだった。何か自信を持って進んでいたから。

「どこ行くんだよ?」

「玄関前から右4歩上3歩右30歩上50歩の場所!」

「ああ、なるほど?」

あれは歩数のことだったのか・・・・。やっぱり流石はマチだ。

つってもそれって近所じゃ・・・・

とりあえず歩いていってみる。

ひたすらひたすら。

そんなときに、



「おーい!なにやってんのー?」

誰かが声をかけてきた。

「ゲッ、ビッグさん・・・・。」

声の主はビッグさんだった。ちなみにビッグさんはあだ名。

本名は、星倉 喜代美(ホシクラキヨミ)身長が199cmだからそういうあだ名だ。

「ちょっと、ゲって何だよーゲって。」

「いや、別に・・・。」

「あ、麻智さんもいる。」

「こんにちは・・・・・・・すいません。」

「なっ、なんで謝るのー?」

これはマチのくせ・・・というか性格。俺と二人だけなら普通なんだが、

他人の前ではほとんど喋らない、大人しい女に豹変する。てか、謝りだす。

「すいません、ごめんなさい。生きててごめんなさい。」

「えっ、ちょ・・麻智さん?そんな言わないで・・・」

こんな感じにとても、暗い。

こんな感じだから、クラスでは、いじめの的となっている。

まぁ、ビッグさんはいじめたりしないけど、反射的に、くせが出るようだ。

「で、何やってんの?なんか落とした?」

「いや、実はな・・・・かくかくしかじか。」

「それで、不思議の国とやら探し?きゃははは!ありえねー!」

「すいません、馬鹿で・・・・。」

「え、なんでマチさんが?」

「(; ̄Д ̄)言い出したのマチなんだよ。」

「え!・・・・・・ごめんよ。悪かった。」

「いえ、すいません。私が生きてるばっかりに・・・・」

ああ、話が進まない。

仕方がないので俺は無理矢理進めることにした。

「そういうわけで、俺らは不思議の国探すから!じゃあな、ばいばーい!」

と、ビッグさんを追い返そうと大声で言って話をさえぎると、

「なにいってんのさ?あたしも探すよ!」

はぁ?

「あたしいたほうが心強いだろ?」

胃が痛くなるわ。

「よし決定だな!」

勝手に決めるな。

でも逆らうと暴れるのでことわれない。仕方ないので一緒に連れて行くことにした

「じゃあ、しょうがない。行くか。」

「しょうがないって何だよ、ヤス!あたしがそんなに嫌か?ぶっ殺すぞ!?」

「いえ、とってもうれしいです。」

「だろ?」

はぁ、早速胃が痛い。

とりあえずさっさと行くことにした。早足で。

ザザザザッ!

進んだ先には小さな洞窟があった。おかしいな、いつも通るけどこんなの

あったなんて気づかなかった・・・・。

「おお?こんな洞窟あったか?覚えねーぞ?ここじゃねーの?不思議の国。」

ビッグさんが騒ぎ立てる。うざい。

「中はそんなに暗くないな、そのまま入る?」

俺はマチに聞いたつもりだったが、ビッグさんがまた大きな声で、

「何びくびくしてんだよ!行くに決まってんだろぉ?」

といって俺の肩をバシッっと叩いた。骨に響く強烈な一撃だ。マジでうざい。

しかも後ろからぐいぐい押してくる。「早くしろよー!」としきりに言いながら。

そんなに行きたいならお前が先頭いけーー!といいたい所だが、言ったら消され
る。

喉まででかかったこの台詞を俺は飲み込むことにした。

そんなこんなで、洞窟に入った。中はなぜか明るい。

周りに警戒しつつ奥へと進んでいくと、大きな泉があった。

「おおーー!?行き止まりじゃねーか!」

またビッグさんが騒ぎ出す。その大声で上から鍾乳石が落ちてきた。迷惑だ。

「おい、どうすんだよ!?」

また、ビッグさんが大声で聞いてくる。帰れよ;とはいわず、

「とりあえず辺りを見回してみようぜ。」

と言っておいた。でもそのときにはもうすでに辺りを物色していた。

人の話ぐらい聞けよ・・・。とか思いつつ、その辺を見てみると、古い本がおいてある

なんだろうと思ってみてみると近くに看板もあり、

『国へ入られる方は名前を書いてください』

とギリギリ読み取れるような汚い字で書いてあった。

ついでにペンも・・・・置いてなかった。代わりにケチャップがおいてある

「これで書けって言うのかよ・・・・。」

とつぶやくと、看板の文字が動いて、形が変わり、『YES』の文字に変わった。

「よくわかんねぇな・・・。」

とりあえず、ケチャップで文字を書いた。不思議なことに、ケチャップは出すと黒に変わり

固まって、鉛筆で書いたような文字に変わった。ただ、字の汚さは変わらない。

他の3人の名前も一応書いた。しかし、この後どうすればいいんだろう・・・・。

とりあえず俺もあたりをもうちょっと探っていることにした。



つづく。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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