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フシギノクニヘタビダトウ 作者:糊塗霧 隙羽

第10回   フシギナシケンゴウカクオメデト
瞬間移動で、元居た場所に戻る。

すると、皆が待っていた。

「おせえぞ!ヤス!」

「私より遅いとは思わなかったよーヤス。」

「なんだよ、どういうことだよ?」

「二人とももう、試験終わったわよ。」

「え?」

ルネの言葉に驚く俺。

「私の場合、謎解きが楽だったから。」

いや、マチは頭がいいからだろう。同じくらい力は弱かったはずなのに。

「私はあの草原行っただけで終わったぞ。」

ビッグさんは力が強いからだろうな。

「とにかく、おめでとう。これで試験は終了よ。」

「私らは合格か?」

「うん、マチさん以外は。」

「え!?」

「あ、いや。マチさんはギリギリ合格ね。」

やっぱりあのときの動物化がひびいたのだろうか?

「合格したところで、俺たちは何をすればいいんだ?」

一番気になっていたことを聞く。

「うーん、今は特にすることはないわね。とりあえず、家で寝てて。」

「えっ自分の家に戻るの?」

「いや、下宿?みたいな物があるから、そこに。今案内するわね。」

今更気づいたことだが、勝手に居なくなって、僕らは大丈夫なのだろうか。

今頃騒ぎになっているんじゃぁ・・・。











「昨日未明、3人の中学生が突如、消えました。今のところ、行方は
わかっていません。最後に目撃した人の証言によると、
『何もないところで消えた』とのこと。神隠しか!?などと騒がれています。」













とりあえず、気にしないことにした。ルネの案内で下宿へと到着した俺達は、

ひまなので、周辺を物色していた。そこで、謎の本を見つけた。

「なんだこれ?『世界の歴史』?」

「歴史の本かぁー私はこういうの苦手だな。」

「ちょっと読んでみる?何かのってるかもよ?ヤス。」

「そうだな。すこしだけ。」


俺はそういうと、その本の表紙をめくった。

目次には、いろいろあったが、気になったのは『わが国の歴史』のページだ。

「わが国ってどこのことだ?」

「この不思議の国のことじゃない?これは、日本とかの著書じゃないみたいだし」

早速、ページをめくってみる。

『1880年。、、魔女狩りから逃れてきた魔女、および、魔法使いは、
  人に見つからぬような場所で自分達の国を設立することにした。』

・・・ん?

「魔女狩りって、1880年代だっけか?」

「いや、もっと古いと思うけど・・。」

「どういうことなんだ?この本間違ってるんじゃねぇのか?」

年代のことは置いといて、とりあえず続きを読んでみることに。

『1885年。ついに、国が完成。平和な時代がやってくると信じ、喜ぶ国民。』

『1890年。国が発見され、滅ぼされてしまう。そのとき逃げた魔女達は各国に散ら
ばり普通の人間として隠れて生活することとなる。』

『そして現在、その数人の魔女の子孫を集め、また新たに国を立て直そう
としている。国を立て直そうと最初に動いた人物、つまりこの国の王は・・・』

『ルネ』

「なんだって!?」

「マジでか!?私を騙す気だろ!なぁ!ヤス!」

「お・・落ち着いて・・つーか、首絞めるな・・。」

「その続きは・・・?読んで、ヤス。」

『国を滅ぼした者達を葬るため、現在活動中である。2000年現在』

「今は、2006年。この本が出版されたのは6年前か。」

「どうするの・・?」

「私らはどっちにつくんだ!?」

「俺は、復讐なんかに手を貸したいとは思わない。」

「私も・・・・。」

「私もだ!」

「奴等の計画、何とかして止めなければ!」



つづく。

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Novel Editor by BS CGI Rental
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