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にんぎょうがはこんだしあわせたち 作者:糊塗霧 隙羽

第1回   プロローグ 妙な人形
とある、旅人が当ても無く彷徨っていた。

あるとき、町を見つけ、食事が出来る場所を探そうと

町をうろうろしていたとき、一軒の店が目に止まった。

看板は「骨董品」関係ないな。と、旅人は立ち去ろうとしたが、

何か妙な気配を感じ引き寄せられるように店には入ってしまった。

旅人は店の中を見回す。壺やら皿やらわけのわからないものが

所狭しと並べられている店内はとても狭かった。

そんな商品棚の奥、意味不明なものに交じって、

小さな人形が置いてあった。それを見て旅人は、

「さっきの妙な感じはこいつだ。」と直感した。

そんなわけで旅人はその妙な人形を眺めていた。すると、

「その人形が気に入りましたか?」

後ろから人の声。驚いて振り返ると一人の老人。

「店の店長です。驚かせたようで、スイマセン。」

そういうと店長はお辞儀をした。

旅人は言った。「この人形、何か不思議な感じがするのだが。」

それを聞いて店長は驚き、「ほー、お目が高い。」

と一言。やはり何かある人形らしい。

「と、いうと?」と旅人は聞いた。

店長はゆっくりと人形の元へ来て、人形を持ち上げつつ言った。

「こいつはね生き人形なんですよ。幸せのね。」

聞いた事の無い単語に旅人はすぐに聞き返した。

「生き人形?しあわせの?」

「そうです。」

店長もその問いにすぐに答える。

「少し、詳しく聞きたいのだが。」

旅人は人形に興味を持ったらしく、その詳細を店長に聞いた。

「興味が沸いたようですね。では、お話しましょう。こいつの生きてきた日々を」



「こいつが運んだ、幸せの数々を。」


つづく。

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