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消える天使−キエルワタシ−(台本形式版) 作者:糊塗霧 隙羽

第6回   5
天使「(あれから数日・・・命削って調査したものの、怪しい所は無い・・・小人達は見
る目が無い・・・・)」(酷い)

天使「(一体黒天使は何処に潜んでいるんでしょうか・・・新しくめぼしを付けよう
にも小人は信用できません・・・。)」

天使「ハァ・・・(私に黒天使を見つける能力でもあればよかったのに・・・・)」

ハルカ「ま、そんなに落ち込まないで。天使さん。」

天使「ハルカさん・・・・。」

ハルカ「そんなにすぐには死なないでしょ?なんとかなるよ!」

天使「(それが、すぐに死んじゃうんです。未だに寿命は減り続けていて、もう、
3日ほどでハルカさんは・・・・。それに私も残り3日ほど・・・どうすれば・・・)」

ハルカ「天使さん?」

天使「え、あ?はい!?」

ハルカ「また、ケンタ君呼べるかな?」

天使「あ、はい。行ってきます。」

スゥ・・・




天使「(もう、こうなったら惚れ薬でも調合して、ケンタクンに飲ませてしまいま
しょうか・・・でも、天使として、そんなことは・・・・って悩んでいるうちにケ
ンタクンの病室の前に来ちゃってます・・・。)」

天使「(早速中に・・・・ん?)」

ケンタ「・・・たく、・・・・だな・・。」

天使「(ケンタくんの声・・・・何を喋って・・・。」

ケンタ「ハルカの奴、マジで馬鹿だねww」

天使「(あっ、ハルカさんの事だ・・・。何か失敗でもしたんでしょうか?ハルカさ
ん。)」

ケンタ「俺が友達だとよ。本当に、馬鹿!ww」

天使「(え!?)」

ケンタ「俺が奴の命を奪おうとしてる黒天使だとも知らずにさ・・・あー、マジ受
けるw」

天使「(そんな・・・・ケンタクンが黒天使!?嘘でしょ・・・・・?)」

ドサッ!(カバンが落ちる)

ケンタ「・・・・ん?誰だ。」

天使「(う・・わわわ!まずい!)」

ケンタ「アンタは・・・・ッチ今の話聞いてやがったな・・・。」

天使「・・・・見えてるって事は・・・本当に・・・。」

ケンタ「バレちゃしょうがねぇな。そうだよ。俺が黒天使だ。」

「ッ!!」(思わず近くに置いてあった果物ナイフを取って構える)

ケンタ「おや、良いのかねぇ?天使って、何があろうと人を傷つけちゃ駄目なんだ
よねぇ?」

天使「くぅ・・・」

コトッ・・。(ナイフを落とす)

ケンタ「そうそう、それでいい。で、大人しくハルカが死ぬのを見てな。」

天使「・・・・。」

ケンタ「あ、もしも、この事ハルカに言ったりしちゃったら、アンタ、消えちゃう
よ?傷付けることになるだろうからさー。」

天使「ウウ・・・。」

ケンタ「で、もういいっしょ?さっさと出て行けよ。鬱陶しい。」

天使「・・・・」

スゥ・・・。

ケンタ「けっ、カスが。」











天使「(これから先、どうすればいいんでしょうか・・・。)」

スゥ・・

ハルカ「あ、天使さん。ケンタ君はどうしたの?」

天使「何か、先生に呼ばれていったから連れてこれなかった。」

ハルカそっか。それじゃしょうがないよね。じゃぁ、明日ね。」

天使「うん・・・。(嘘を言ってしまった・・・。)」

ハルカ「・・・うん?どうかした?」

天使「なんでもない・・・なんでもないよ・・・。」

ハルカ「・・・・?」

天使「(とにかく、彼女の恋を実らせよう。ハルカさんの恋を。)」

天使「(例え相手が黒天使でも、知らなければ・・・きっと、知らずに恋が叶えば・・・・
心は暖かくなる筈だから・・・・)」

天使「・・・・・。」




つづく

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Novel Editor by BS CGI Rental
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