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消える天使−キエルワタシ−(台本形式版) 作者:糊塗霧 隙羽

第5回   4
天使「絞られた5人の中に黒天使居るんでしょうか・・・。あの小人達性能良くは無い
んですよね・・・。もっとマシなの使いたい・・・・。」

天使「(おっと、駄目駄目。ちゃんとした天使になる為の試練なのよこれは。真面
目にしっかり、お仕事しなきゃ。)」

天使「とりあえず、5人の部屋に乗り込んでいって見る事にしますかね。」











天使「まずは一人目、大道寺先生。データによると・・・。」

『パッと見人当たりはいいですが、ふと、怪訝な顔をしています。実は黒天使で、
こんな事して紛れ込むのに嫌気が差して、たまに怪訝そうな顔をするのかもしれま
せん。』

天使「・・・これだけじゃぁ・・・。でも確かに怪訝そうな顔はする。」

天使「見たところ、普通ですし、次に行きますかね・・・あ」

『この先生が主にハルカさんの病気について調べ続けています。かかりつけの医者
ですね。』

天使「接点は凄くあるのね・・・でも、次。」











天使「二人目、入院患者の一人『黒宮ヒロト』。データだと・・・。」

『毎日ぶつぶつ何かを言っています。殆ど聞き取れませんが・・・・。聞き取れた単語
は『死ね』『殺す』『呪ってやる』いかにもって感じですね・・・・。でも、あからさ
ま過ぎる気もします。』

天使「部屋はハルカさんの隣(ケンタ君が右側、この人は左側。)近い場所には
る。さて、次。」











天使「三人目、さっき私の姿が見えていたお爺さん、『片桐大輔』。」

『死に掛けているとは言え、そうそう、天使が見えるはずはないです。今までそん
なことありませんでしたし。天使の姿が見えたのは、黒天使だから。同じ種族だか
らなのでは・・・?』

おじいさん「ぐぉぇっほ!げっほ!ぐえー!」

天使「・・・・血を吐いて苦しそう・・・。黒天使とはいえ、ここまで演技できるとは思
えません・・・。」

天使「この人はペケですね。部屋はハルカさんの正面ですが・・・。さて、今度
は・・」












天使「四人目は、ここに通院する『芥川龍之介』」

『何が怪しいって、まず名前から怪しいです。その名前、偉人さんじゃないです
か!そんなに同姓同名が居ますか!さらに、何かたまに祈りを捧げています。黒天
使の呪いの方法はよく判りませんが、もしかしたら・・・この祈りの様な物が呪いの
方法かもしれません。でも、この人はハルカさん自体を知りません。接点がない様
な人が呪いを掛けることは出来ないと思いますが・・・・。』

天使「一番説明が長い・・・・。でも、最後の方に書いてある通り、接点が無い人に呪
いは掛けれない。ハズ。」

※ある程度接触した者のみに黒天使は呪いを掛けれます。

天使「次が最後ですか・・・。」











天使「5人目は看護婦の『金田琴音』。」

『口が悪く、性格が悪く、素行も悪い。まさに黒って感じの人です。あ、天使が人
にこんな事言っていいのでしょうか?いいですよね。ええ。(こらこら)この人は
大道寺先生の助手みたいな感じの人で、ハルカさんにはそれなりに近い人だと思い
ますが・・・・・そんなに悪い人には見えないんですよね・・・・口悪かったりするけど根
は優しいというか・・・です。』

天使「何か、この小人の文体嫌だ・・・・。てか、貴方は天使じゃないでしょ。」

天使「でも、やっぱ小人が言うように、根は悪くない人だと思うし・・・。」

天使「全員が全員微妙ですね・・・。」

天使「・・・・・・・。」

天使「・・・ひとまずハルカさんの部屋に戻りましょうか。」



スゥ・・・。(天使なので扉すり抜けます)

ハルカ「あ、ねー、天使さーん。」

天使「!ちょっと!」

ケンタ「え?天使?この部屋にそんなのが居るの?」

天使「(ケンタクンには私が見えないのでなんというか・・・ああ。駄目な感
じ。)」

天使「(・・・ハルカさん!普通の人には見えないんだから!)」

ハルカ「(あ・・そっか・・。おかしいよね声掛けちゃ。)」

ケンタ「・・・・。」

ケンタ「大丈夫か?ハルカ。体調悪いとか・・・」

天使「(幻覚を見てると思われてますねこれは・・・・。)」

ハルカ「あ、うん!全然平気!寧ろ元気!」

ケンタ「そっか・・?」

ハルカ「うん!ちょっと疲れたから、もう横になるけど・・・・。」

ケンタ「そっか。じゃぁ、俺は部屋に戻るわ。お大事になー。」

ハルカ「ケンタくんも。」

ケンタ「またなー」

ハルカ「はいはーい。・・・・・。」

天使「ふぅ・・・。もう、ハルカさん・・・。」

ハルカ「ねぇ、天使さん!私の病気の原因を作ってる奴、わかった?」

天使「(私まだ話途中なんですけど。てか、何も判ってないのいいにくい・・・)」

天使「(でも、正直に答えなきゃ。)いや・・・多すぎて判らないんです・・・容疑者候
補が・・・。」

ハルカ「そっか・・・容疑者は何人?あ、この写真の5人?」

天使「ああ、はい・・・って、何勝手に見てるんですか!?一応極秘文書ですよ!」

ハルカ「落ちてたのよ。それにたいした事書いてないし、いいじゃん。」

天使「(この人は・・・てか、ずっと握ってたのに落ちてた訳無いじゃん。)」

天使「(いや、天使が人を疑っちゃまずいか。)まぁ、それなら落とした私が悪い
ですね。」

ハルカ「あ、気にしないで。本当は何気にさっきひったくったから。」

天使「(本当に本当にこの人は・・・。)」

ハルカ「それはそうと、この5人、本当に容疑者・・・?」

天使「え?それはまた、なんでです?」

ハルカ「なんだか、そんな風に思えないのよね・・・・」

天使「っていわれても・・・・勘でしょそれ。」

ハルカ「うん、まぁねぇ・・・。」

天使「(人間の勘を信じるわけにはいかないのでこの意見は無かった事にしとこ
う。)」

天使「じゃ、明日もがんばって黒天使を探しますので・・・」

ハルカ「うん、早く直すようにしてよね?」

天使「はい・・・。頑張ります・・・。ZZzz」

ハルカ「あれ?寝ちゃった・・・。よっぽど疲れたのね・・・。」

天使「人間界で放浪する身ですから・・・家とか無いですし・・・寝て無くて・・・。zz
z」

ハルカ「それは寝言なのかな?それとも起きてるのかな?」

天使「zzZZ・・・」

ハルカ「寝てるな。」

天使「明日こそは・・・黒天使を見つけて・・・・ハルカさんの心を暖めて・・・Zzz・・・」

ハルカ「・・・本当に、お願いね。」



つづく

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Novel Editor by BS CGI Rental
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