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Nightmare Genocide Classmate 作者:糊塗霧 隙羽

第9回   困惑の序章
「皆さん。順調ですか。先生は楽しいですよー。」

放送の声が聞こえ、私はふっと気づいた。

や、やばい・・・思いっきり寝てた・・・。

が、どうやら無事らしい。津田君も隣で寝てた。

「津田君、起きて?放送だよ・・・。」

「ん・・・うむん・・・。」

放送はもちろん、生徒の死亡状況に関するものだった。





Nightmare Genocide Classmate
悪夢の殺戮同級生





死亡した生徒は、

9倉田正則

15高野真紀

16高野美紀

17武田久雄

21筑波大士

26新田充 の6人。

あと、既に知っているが、

24土井明子 23輝元有香 18月野雫 の3人。殺したのは津田君。

残りは後14人。私と津田君、勅使河原君とその他・・・・。

早くも生徒の人数は半分を切った。

・・・・。

複雑な気持ちだ。私のせいで皆はこうして死んでいっている…

いくら、いじめをするような酷い人でも・・・

私は首もとに自分の槍を当てた。

が、槍が首を貫く前に津田君に叩かれ、叩き落とされた。

「止めないで・・・。私が死ねば終わるんだから・・・。」

「だめ!!そんな事は許さない!」

津田君は今までに無く強い口調で言う。

「考えてみなよ!皆は由紀ちゃんをよってたかって殺そうとしてる。何人かは違ったけど。」

「そんな、簡単に殺しをやろうとする人、情け要らずだよ!」

・・・・納得できない。けど、私は自殺はやめた。

そうだ、あんな奴らの為に死んでどうする。

むしろ、あいつらを殺した方が世の為だ。

「それに・・・・」

津田君がさらに続ける。

「僕が、由紀ちゃんに死んで欲しくない。だって、僕は…君が…」

言いかけた所で津田君が止まった。どうしたのだろう。

「…続きはあと。目の前の敵を片付けよう。」

その言葉に振り返る。そこにはいつのまにか二人。

1阿南華穂 3江藤那津子

「やっと居たよ、当たり。」

「う・・うん。そうだね・・・。」

「今まで運がいいのか悪いのか、あんた以外に何故か他の人に会えなかったけど、やっと当たりの辿り着いた。」

「うん・・・そうだね・・・。」

「…同じ言葉繰り返してばっかりだと張り合い無いじゃない。止めてよね?那津子。」

「ご、ごめん…」

気弱な江藤と強気な阿南。別に何と言う事も無くクラスに居た二人だ。

「那津子、あんたは主に援護して。私が攻めるから。」

「うん・・・。」

阿南の武器はメリケンサック。武器と言うのかどうか微妙だが…

そして江藤の武器は銃。まだ持っている奴が居たのか・・・。

「いくよ!」

「う、うん!!」

江藤は廊下の柱の影の方に隠れ、阿南はこっちに向かって走って来た。

そんな程度じゃ、私達の武器で瞬殺だ。

私は槍を向けて、突く。

が、それを阿南はかわす。

槍をかわすなんて、どんだけ運動神経があるというのだ。

さらに津田君が銃を撃つがそれをもかわす。

もう、運動神経うんぬんの問題じゃない。異常だ。

「ララララララララァッ!」

凄まじいラッシュ。が、何とか私はそれをかわす。

ドゴッ!

「うっ。」

見誤った。一発当たってしまったようだ。

しかも当たり所が大分悪いらしい。立てない。

それに止めを刺すべく阿南が近づく・・・

「!」

ヒュンヒュンヒュン!

何かが飛んできた。ブーメランか何かのようだ。

が、それも阿南には当たらず、寸前の所でかわされた。

「やっぱブーメランじゃ戦えないか。カッコいいと思ったんだけど。」


4遠藤尚之

ブーメランを投げたのは津田君じゃない…。

じゃぁ新しい味方・・・?それとも・・・。

「阿南、ソイツは俺が殺して、ゲームを終わらせる。」

「なんでよ?誰がやっても同じでしょ。」

「いいや、当たりを殺して皆を助ければカッコいいじゃないか!」

・・・・どうやら、敵だ。

しかし、この状況なら、もしかすると味方になり得る。

「お!津田も手柄を巡って戦ってたのか!」

遠藤は津田を見つけて呼びかける。

津田君は一瞬「ハァ?」みたいな顔をしたが、黙っていた方が楽と

判断したらしく、無言で頷いた。

「よし、一緒に戦うぞ!仲間同士!!」

遠藤はそう勝手に決めると津田君のもとへ。

「さぁ、勝負だ!!言っておくけど、俺の武器はブーメランだけじゃねぇぜ!」

何か勝手に2対2のバトルになっているようなので、

その間に私はこっそりとその場を離れる。

だが、別に変わりなく、戦いの火蓋は気って落とされようとしていた。

「・・・・本末転倒じゃん。」

ぼそっと呟いた後、そのままここに居るのも危険なので、

津田君が心配だが、階段を上って、3階の方へと逃げる事にした。

誰も居なければいいなと願いながら、ただひたすらに走った。

走りながらにふと思う。

そういえば強く殴られて、動けなかった筈だったのに。

私は普通に走って逃げていた。

私って、そんなに異常な回復力ある女だったっけ?

・・・。

気にしてもしょうがない。振り返りもせず、私は走っていった。

必死だったからか、その後謎の大爆発が起こったが、私には聞こえなかった。


つづく

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Novel Editor by BS CGI Rental
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