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Nightmare Genocide Classmate 作者:糊塗霧 隙羽

第8回   不安の序章
雨が上がった。どうやら夕立だったらしい。

・・・という事はもう夕方・・・。

外がよく見えないし,一箇所に留まっていられないから時計を見ていない。

さらに携帯や腕時計も持ってない。

なので、私は完全に時間感覚を失っていた。

ドンッ!!

また銃声だ。もう、数え切れない位聞いた。

あと何人,銃を持っているのだろうか・・・。





Nightmare Genocide Classmate
悪夢の殺戮同級生





夜がやってきたようだ。

電気が校舎内全て点いているので特に関係無さそうだが・・・。

この明るさに慣れてしまう為,突然電気が消えでもしたら・・・。

それを考えると恐ろしくなってくる。

「眠い・・・。」

隣で津田君が呟く。

「眠い・・・って・・・こんな状況下で・・・。」

「でも、僕毎日9時寝だから・・・。」

そんな規則正しい生活してるのか・・・。

まぁお陰で現在時刻が9時過ぎなのは判った。

しかし・・・頼りの津田君がこんな状況だと危ないかもしれない。

ピンッ

「!?」

ドタッ

津田君が転んだ。どうやら糸が張ってあったらしく、

それに引っかかって転んだらしい。

ピシュン!!

!?

突然,教室の窓を破り,矢が飛んできた。

津田君はこけてて余裕で大丈夫だったけど・・・

私は頬を掠った。血の気が一気に引いていく。

へなへなと廊下側の窓に寄りかかる。

「由紀ちゃん危ない!!」

いきなり津田君が叫ぶ。そして私を押し倒す。

それと同時にさらに教室の窓を破って矢が飛んできた。

教室の窓は全て割れてしまった。そして教室内が明らかになる。

「・・・・?」

さっきの糸を切ると発動するトラップボウガンが机の上にある。

だが、その数は一つ。なら、他の飛び交った矢はどこから飛んだ?

「生存かくにーん。しっかりしてよね?美紀。」

「何よう!私は頑張って沢山撃ったもーん!真紀のトラップボウガンなんか、一発だけだし当たってないし!」

「美紀だって当たんなかったじゃーん。」

15高野真紀
16高野美紀

この二人は双子。明るいけども掴み所のない性格でクラスメイト全員が

一目置いていた。と共に、深く関わろうとしなかった。

「あれぇ?真紀、アレ,当たりの小笠原じゃん?」

?判ってて攻撃した訳じゃない・・・?

「ほんとうだぁー。じゃ、殺したら終わっちゃうねー。」

「当たんなくて良かったんじゃない?」

「いやいや、当てても,死んだのがバレなきゃ良いじゃん。」

!?

「自己申告だもんねー。」

この二人・・・このゲームを楽しんでる!?

私を殺して終わらせようなんて思ってない・・・完全に全員殺す気だ!

「あ、津田居るつだー!」

「おー、うらぎりものー。」

裏切り者って・・・あんたらが言うな。

「「ま、とにかく。」」

二人同時に言う。

「死んでもらいましょっか。」

「そうしましょっか。」

ジャキッ!

ボウガンを構える二人。二人とも二つ装備している。

「銃器に近いボウガンは厄介だね・・・。」

津田君が私にぼそっと言う。

「どうしよう?あ、手榴弾は?」

「もう無いんだよ・・・。」

一体どうしたものだろうか。

ドンドン!!ドン!!

双子の後ろから誰かが撃ってきた。

狙いは私ではなく双子。ってことは味方・・・?

「「うきゅっぅ!」」

双子はそのまま倒れ,動かなくなった。

当然だ。どちらも頭部を打ち抜かれてしまっているから。

即死だ。

そして双子を撃ったのは・・・

勅使河原知樹。  

「ギフッ!ギヒ・・・ギヒひひヒ・・・。」

・・・・味方・・・とは少し違うかもしれない。

どう見ても正常じゃない。これは・・・

「おまえらもぉ・・・・死ね・・・!!」

最早,快楽殺人犯。


私達は走り出した。相手は銃、敵わない。

それに、動く標的は素人からすればとても狙いにくい。

銃の性能も・・・・あまりよくない。だからこそ、逃げていれば何とかなるかもしれない。

ドンドンドン!!

銃を乱射する勅使河原。しかし、計算通り。

殆ど弾は逸れて行ってくれた。

カチッ!カチッ!

その内,弾が切れたような音がした。

さらに、勅使河原が立ち止まった。

どうやら、息が切れたらしい。そういえばさっきから息が荒かったな。

それに彼も,運動が得意なタイプではないし。

そのまま走りつづける。そして、渡り廊下を抜け,階段を下り、下駄箱横廊下まで来た。

ココにも死体。さっき・・・・といっても結構前になる気がするが、さっき戦った中野と津久田の二人だ。

手榴弾で吹っ飛ばされて木っ端微塵になって死んだものと思っていたが、

どうやら、そうではなかったらしい。手足が千切れているが、他は爆発での傷のような物は殆ど無かった。

それに、頭に銃で撃たれたような後。これは、どうも、私達が居なくなってから,

誰かに止めを刺されてしまったような感じである。

「勅使河原君がやったのかな・・・。」

「・・・・・判らないよ。」

津田君の返事は素っ気無かった。

確かにそうだ。他の誰かが猟奇的になったかもしれないし、油断は出来ない。

・・・・けど、そこまで素っ気無く言わなくても良いんじゃないだろうか。

とも思ったが、それ以上気にせず,忘れる事にした。

そして、このまま私達はこの場に隠れている事にした。

下手に動くと、また銃を持った奴に出くわすかも知れない。

ココで隠れて待って,確実に持って無さそうな奴を襲う方がいい。

そういう結論が出たのだ。

しかし、私も眠くなってきた・・・。これは、やばいのではないだろうか・・・。

・・・・。


・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・。





つづく

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Novel Editor by BS CGI Rental
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