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Nightmare Genocide Classmate 作者:糊塗霧 隙羽

第7回   恐怖の序章
ポツッ・・・ザーー・・・

どうやら雨が降りだしたようだ。

しかし、そんな事は特に関係無い。

どうせ、ゲームが終わるまでは学校からは出られないから。





Nightmare Genocide Classmate
悪夢の殺戮同級生





やっと職員室に辿り付けた。こんなに近くなのに,

どれだけ時間がかかった事だろうか。

職員室の扉を開ける。瞬間、生臭い臭い。

中は惨状が広がっていた。

あちこち赤い液体で染まっており,肉塊が転がっている。

机やイスはめちゃくちゃ。書類なども散らかっていた。

「・・・酷い。」

「多分、この塊とかは先生だよ・・・。」

判っている。けど、信じたくない。

中には、私の悩みを聞いたり,力になろうとしてくれる優しい人も居た。

しかし、その先生は既に,原形を留めていない状態に・・・。

「・・・。」

涙が溢れる。それを津田君がもっていたハンカチで拭いてくれた。

少し血生臭い。服と共にハンカチも少し血塗れてたのだった。

肉塊をなるべく見ないように職員室内を歩いていく。

そして、武器が置いてある所までやってきた。

武器は凄まじい数で,生徒全員がここに来てても無くなりそうもないほどあった。

剣、槍、爆薬、鉄槌、棒、さらには戦車・・・。

銃火器は置いてないようだったが、その他の武器及び武器になるものは

全てここに置いてあるようだった。

「由紀ちゃん・・これ。」

呼ばれてその場を見てみると拳銃が沢山。

しかも、これは最初に私達全員が貰った拳銃のようだ。

「何でこんなに・・・あれ?弾が入ってない。」

全て調べてみたが,どれにも弾は入ってなかった。

「多分、弾切れて要らなくなった銃だよ。」

「これを置いて、代わりに武器を持っていったんだね・・・。」

銃を数えてみる。どうやら、大体生徒の人数と同じくらいあるっぽい。

と、すれば、殆どの生徒は職員室に来た事になる。

「・・・長居は出来ない。僕達も早く、武器を取っていこう。」

「・・・うん。」

その前に確認。私達の銃の弾は・・・

津田君はまだ、10発ほどあるようだ。

しかし、私はもう既に弾がなかった。

「何で・・・?そんなに撃ってない筈なのに・・・。」

「どうやら、先生は全員の弾の数をバラバラにしたみたいだね。」

何と言う事だ。一番役に立つ銃が、もう使えないなんて。

武器の中を探って,銃の弾が落ちてないか調べる。

しかし、やはりないようだ。銃は捨てざるをえない。

「・・・武器を取っていこう。」

諦めて私は槍を取った。津田君は既に一回来たらしいから

要らないだろうと思ってたら鉄槌を拾った。

「さぁ、行こう?」

津田君は私の手を引き、職員室を出ようとする。

・・・?何か不自然だ。何でそこまで手を強く引くのだろう。

・・・。

私は津田君の手を払い,職員室を見回す。

「由紀ちゃん!?どうしたの!」

私にもよく判らない。けど、津田君は何か隠している。

その時、ふと校長室への扉が目に付いた。

「・・・。」

扉の方へと向かう。

「!!駄目だよ、由紀ちゃん!そっちは行かない方が・・・!」

隠している物はこの先か。私は扉を開く。

「!!」

そこにあった物・・・いや、者は、人の死体だった。

しかも顔に見覚えがある。これは同じクラスの・・・

24土井明子 23輝元有香 18月野雫

いずれも、いじめグループの主犯格であり、残りの者だった。

全員頭に凄まじい一撃を喰らったらしく,頭からは脳が覗いていた。

さらに首,腹,腕に切り傷。いや、腕に関しては切り傷というか・・・

腕は鋭利な刃物で切り落とされていた。

腹からはあらゆる臓器がはみ出て,凄く気持ち悪い。

3人の表情はいずれも,恐怖に怯え、叫ぶような表情だった。

「うぇっ・・・うぐっ・・」

吐き気が・・・胃液が腹の底から込み上げて来る。

こんなに酷い殺害・・・誰が・・・。

・・・言うまでも無い。犯人は、私の後ろに居た。

「・・・由紀ちゃん。」

「津田・・くん・・こんな・・・何で・・・?」

「こいつらが・・・僕に襲い掛かってきたから・・・。」

だからって、ここまでするものなのか。

やっぱり、恐ろしくて聞けなかった。

彼の激しい憎悪。殺意。行動。何も理解出来なかった。

吐き気が治まらないままだが,私たちは職員室を出た。

これから先も・・・また、彼のこんな面を見せられる事になるのだろうか。

寒気がした。気分が悪い。もう嫌だ。

ああ、早くこんなゲーム,終わって欲しい・・・。

これが、夢ならいいのに。夢なら・・・早く・・・覚めて・・・。





ザシュッ!!

「クァッ!?」

ドシャァ!

走って逃げていた 9倉田正則 だが、ついに追いつかれ,

首を刀で掻っ切られてそのまま倒れた。

「ひひひひ・・・これでぇ・・・5にんめぇ・・・!」

勅使河原は完全に壊れていた。

最初の渡貫も入れて,もう5人も殺していた。

と,言っても由紀と共に行動する,津田も、それぐらい殺しているが、

それでもやはり,異常であった。

「つぎぃ・・つぎのえものはぁ・・・どこだぁ・・・・・?」

ヒヒヒヒと笑いながら、勅使河原は歩き出す。

ドン!!

「ぐっ!?」

激痛。どうやら、銃で撃たれたらしい。

「ヒュ-・・・ヒュー・・・ヒュッ・・ヒュ-・・・。」

撃ったのはさっきやられた倉田。

一矢報いたかったのだろう。最後の力を振り絞り,銃を撃ったのだ。

しかしそれは、勅使河原の怒りを倍増させるだけで,

奴の活動を止める事は出来なかった。

「死にぞこないがぁ・・・!!」

ブゥン!!

刀が投げられる。

もうほぼ瀕死の倉田への止めの一撃となった。

しかしそれだけでは足りないのか、勅使河原は刺さった刀を抜くと、

そのまま振り下ろし,さらに振り下ろし・・・

倉田の体は切り刻まれ,血まみれで,最早誰だか判らなくなった。

そこで勅使河原は斬りつけるのをやめた。

そして倉田の持っていた銃を取り、歩き出す。一言呟きながら。

「生き残るのは僕だけでいい・・・」

彼が今居るのは3階。新館の3階。

由紀達が居る校舎と、同じ校舎・・・・・・。



続く

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Novel Editor by BS CGI Rental
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