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Nightmare Genocide Classmate 作者:糊塗霧 隙羽

第6回   殺戮の序章
さらにその頃、下駄箱近くの廊下。

「ぐぅううぁああああーー!!誰もこねぇええええ・・・」

「少しは落ち着けって。」

まだ19津久田洋輔と25中野亮は助けを求め、うめいていた。

「何でアッキーそんな冷静なんだよいつもぉおーー・・・」

「騒いだ所でどうにもならんのでな。」

「ぜってぇ変だよ・・・。」

「ふん、何を今更。」

よく判らない会話をしつつ、二人は助けを待ち続けていた。

とはいえ、クラスにこんな大怪我を治療出来る奴なんて居ない。

さらに、助けを求めて、教師の元へ行っても、

これはバトルロワイアル。敗者は死あるのみ。

助かる見込みは全く無いだろう。だが、

二人は、どうしても僅かな希望を捨てたくなかった。

(片方は本当に、誰か助けてくれると信じているが・・・)

そして、その希望が叶ったのか。誰かの人影が見えた。

「!人だ!」

一番に反応したのは津久田。その後、ゆっくり中野が振り向く。

「おお、良かったな・・・。」

人事のように言う中野。まぁ、助かったと

信じてるのは津久田一人だから、まぁそうだろう。

しかし。

「助けてくれよ!死にそうなんだ!体バラバラでs・・・」

チャキッ。

人影は無言で銃を構える。

「なっ!?た、助けてくれよ!やめr」「死にそうならさ。」

津久田の言葉を遮る様に人影は言う。

「いっそ、死んだ方が楽だと思わない?」

「そn」パァン!!

津久田は何か反論しようとしたが、する前に頭部を打ち抜かれ、

その場に倒れこんだ。当然、即死だ。もう動かない。

「お前…何で…」

怒りと恐怖に駆られながら、中野は問う。人影は答える。

「しょうがないじゃん。」

「何を言t」チャキッ。

また話を遮るように、銃を向け中野を止める。

そして、

「これは殺し合い"ゲーム"。ゲームは楽しまないと。」

その目は全く、焦点が合っていず、血走っていた。

「糞…天国で待ち伏せてやる…。覚えてろ、t・・」

これが最後の言葉となった。

パァン!!

最後まで言うのを待たず、引き金は引かれた。






Nightmare Genocide Classmate
悪夢の殺戮同級生





「ひぃ!?」

また銃声。今度は誰だろう。次は自分かもしれない。

様々な考えが頭の中を飛び交い、私は少し頭が痛くなった。

こんな時に、津田君は何処に行ってしまったんだろう。

何人かの女子に出会い、苛められてた頃を思い出し、恐怖で逃げ、

そんな中、津田君と私ははぐれてしまった。

心細くてならない。今まで、津田君が助けてくれていたから。

私が殺したのは、二人。津田君は・・・三人だろうか。

私が知らないうちに誰か殺してるかもしれないけど、

確認するのは恐ろしい。だから、推測の三人って事で

自己解決しておく事にした。

パァン!!

また銃声。これで何回目だろうか。もう数えてられない。

ああ、早く終わって・・・・


ピンポーンパンポーン!!

「!?」

校内放送の時のあの音だ。もしや…

「皆さん、生きてますか?」

やはり。声からして、口調からして、私達の担任。

このゲームの主催者だ。

「動きがかなり微妙で、見てるだけなのは面白くないですね。」

なら、すぐにでも止めて欲しい。動きがよくないのだって

素人にやらせてるから悪い訳だし。

「さて、まぁそんな理由でこのアナウンスに踏み切った訳です。」

「本家と同じく、死亡者を発表しますよー。」

ちょうど気になってた事だ。私は静かに放送を聴く。

ゆっくりと死亡者の名前が聞こえてくる。

「2井上明彦

19津久田洋輔

25中野亮

27馬場由香利

28布田聡

29古山結城

30横山紀子

31渡貫敦 以上、8名。

どうも、わざわざ殺し合ってる人が居ますね。(笑)

由紀さん殺せば終わるんだから、無駄な事しなくていいのに(笑)

まぁ、頑張ってくださいねー!先生はずっと見守ってまーす!」

そう言った後、放送は切れた。

何でこんなことしなきゃならないのだ。

とても嫌な気分で私は新館2階をうろうろしていた。

しかし、知らないうちに三人も死んでるなんて。

まさか、津田君がまたやってるのだろうか。

味方として殺してくれてるのだが、やはり殺人者。少し恐怖を感じた。

「あ!居た!」

タイミングを見計らったかのように誰かが叫ぶ。

かなり恐怖を感じた。すぐに銃を握り、後ろを向く。

しかし、そこに立ってたのは津田君だった。

「良かった、はぐれたから心配してたよ・・・・。」

…津田君の服に付いた血の量が増えている。

「また、殺したの…?」

恐る恐る聞く。

「うん・・・。古山を。」

答えたのは一人の名前。血の量が、一人分の返り血には見えないが・・・。

恐ろしいので、それ以上追求するのは止めた。

「さぁ、職員室に向かおう?今すぐ行けば誰も居ないよ。殺したし。」

なるほど。職員室前に居たから殺したのか。

私を連れて、職員室に行けるように。

私の為に危険を犯してくれる津田君。やはり、いい人だ。

殺しはともかく。

「うん、行こう。」

笑顔は流石に状況的に作れないが、印象良くする様な感じで答えた。

職員室はこの下。階段を下ってすぐの所だ。

私たちは急いで、階段を下った。





「おや・・・?」

放送を終えた教師がモニターを見て思わず声を漏らした。

「いつの間にか死亡者が増えてるな…。」

死んでいたのは 24土井明子 23輝元有香 18月野雫

いじめグループの主犯格であり、グループの残りだった。

「こいつら、僕をかなりいじめてた奴らだな。」

「これで、いじめグループは全滅…か。」

思わず笑みがこぼれる。ざまあみろ。これは報いだ。

教師の頭の中ではその言葉が延々と繰り返された。

しかし、途中で思う。

「こいつら・・・誰が殺した?」

生憎、モニターには録画機能が無い。なので確かめようが無かった。

その辺り、教師はとても、残念に思った。

つづく

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Novel Editor by BS CGI Rental
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