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Nightmare Genocide Classmate 作者:糊塗霧 隙羽

第5回   混乱の序章
そんな頃…

「先生、やりました」

布田は視聴覚室に到着し、間違った情報を報告していた。

「へぇ、思ったより早かったね?では確認・・・」

先生はよく判らない装置をいじる。そして画面に表示された文字…

『生存を確認。』

「え!?」

「・・・あんなに言っても嘘つきは出るんだね?」

「いや、その、僕は・・・」

先生の顔は苛立ちによって歪んだ。

「言い訳はかっこ悪い。早く死ね。」

ガコン!!ガガガ・・・!何かが動くような音がする。

「うわぁああああ!!」

ザシュゥ!!布田の足元から鋼鉄の棘が現れ、布田の体を貫いた。

棘は頭まで貫通し、即死なのは明らかだった。

「ふん、嘘つきは舌抜かないとね。」

どこから持ってきたのか、先生の手にはペンチが既にあった。

そして、布田の死体の頭を無理やりに引っ張り、口を開かせると

舌を思いっきり引きちぎった。さらに血がその場を汚す。

「まぁ、暇つぶしにはなったよ。おつかれ、布田くん。」

先生はにっこりと微笑むと、死体を窓から投げ捨てた。


28布田聡 串刺しにされ、死亡。






Nightmare Genocide Classmate
悪夢の殺戮同級生






殆ど誰も居なくなった教室。その場に一人、留まっている者が居た。

「ううううう・・・」

22勅使河原知樹(てしがらわらともき)♂

この状況に耐えられず、頭を抱えて机にうつ伏せ、唸り続ける彼。

その彼の元に一人、少年が近づいてきた。

「おい、いつまでやってんだ?戦力は多い方がいいんだ、早く動け。」

31渡貫敦(わたぬきあつし)♂

「ううううう・・・。」

それでも、勅使河原は動かない。

クラスで一番の短気者であった、渡貫は勿論怒った。

そして、持っていた拳銃を勅使河原に向けて再度叫ぶ。

「早く動け!!」

すると勅使河原は素早い動作で自分の拳銃を抜き、発砲した。

弾は前弾命中。その内一発が渡貫の腕に当たり、渡貫は拳銃を

その場に落として倒れこんだ。

「いでぇええええええーーーー!!!」

まだ死んでいない。それを見て勅使河原はスッと席を立ち、

拳銃を構えて、渡貫に近づく。

「おおお、おまえ、ここ、この僕に…エリートの僕に…今まで何してきたたた・・た?」

「いでぇええええ!!」

渡貫に聞こえてはいないようだったが、気にせず勅使河原は続ける。

「毎日毎日殴りやがってえ・・・この僕に!僕に!!!」

「あろう事か拳銃を向け・・・ふざけるなあああっあああ!!」

「僕は生き残るべきなんだ!貴様ら屑と違って!!!僕は優秀なんだ!」

勅使河原は床で悶え続ける渡貫の頭をつかみ、拳銃を突きつけた。

「いでぇえ・・・や、やめろ・・悪かっ・・・」

「今更遅いんだよぉおおおお!!!」

渡貫の謝罪を無視し、拳銃の引き金は絞られる。

ドン!

教室に銃声が響き、渡貫の頭には穴が開いた。

その穴からは止めどなく、血が溢れる。

「う・・・」

少し戸惑う勅使河原。だが

「あああああああ!!」

恨みが恐怖を上回った。勅使河原は拳銃をしっかり握りなおすと

もう動かない渡貫の体にさらに銃弾を打ち込んだ。

一発、二発、三発、四発・・・気づいたら弾が切れてしまっていた。

「はぁーーっ!はぁーーっ!はぁーーっ・・・ふぅぅうっ!!」

凄まじい形相で勅使河原は教室を出る。

「殺すぅっ・・!!全員殺すぅ!!馬鹿にしてきたあいつらもぉ・・」

「助けてくれなかったあいつらもぉ!!」

息を荒げながら、勅使河原は階段を下っていった。

ターゲットは、クラスメイト全員。自分以外全て。

彼の道徳観や、全ての正常な心は、この時、消滅した。





生徒の心が、色んな面から、少しずつ、壊れていく・・・・。

教師は、それを見ていて、とても満足そうな顔をしていた。


つづく

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Novel Editor by BS CGI Rental
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