「それでは、バッグを配り始めたいと思います。出席番号順に前に来て、受け取ってください。」
誰も、逆らう者は居なかった。
Nightmare Genocide Classmate 悪夢の殺戮同級生
「はい、全員配り終えまし、た!あ、一旦席についてください。言い忘れた事があるんで。」
私は、ただただ、怯えていた。
この話が終わった瞬間,皆、私に襲い掛かるのだ。
恐怖を感じないはずがない。
話は聞いているが,全く、頭に入って来ない感じだ。
「っと、言う訳で職員室には拳銃の他、様々な武器が置いてあります。」
え?
重要な事なので、流石にこれは怯える私の頭にも入ってきた。
「まぁ、職員室は先生達の屍骸を捨ててあるのでそうゆうの苦手な人は行かないように。」
・・・誰も行かない人は居ないだろう。
生き残る為には、武器の調達は重要だ。
とはいえ、私一人を殺せば生き残れるわけだが。
それでも、ベストな状態で挑みたいだろうし行かない手はない。
私も、行きたい所だが,危険過ぎる。行くのは諦めよう。
「さて、最後に一言。」
「別に、戦いたければ、戦ってもいいです。由紀さんを殺して終わらせず、全員を殺して,一人生き残るのもアリです。」
「終わらせたい場合は、由紀さん殺害後,私に報告してください。」
「嘘吐きはすぐにバレます。嘘吐きは殺しますよ。」
「それでは、まず由紀さん。教室から逃げてください。」
え?
私は少し戸惑い,先生の顔を見る。
「ハンデですよ・・・。すぐに終わっても・・・面白くないでしょう?」
私は走り出した。
なるべく早く、なるべく遠く。
それを意識し,懸命に、走っていった。
一体、どこまで行けばいいんだろう。
この学校から,出る事は出来ない。じゃぁ、どこに逃げれば・・・?
そうだ!
私は走る向きを変え,階段を下がっていった。
〜3階、廊下 美術室前〜
美術室は、美術の授業に使う,教室。
他に、美術部も使っている。
そして美術部の部長は私。一年にも関わらず。無理矢理させられた。
それがここで役に立つとは思わなかった。
昨日、美術室のカギと、美術準備室のカギを預かっていたのだ。
今日返す予定だったが・・・その必要ももう無い。
先生はこの世に居ないのだから・・・。
知り合ってまだそんなに経たないが、少し悲しかった。
少しでも関われば,もう、見ないフリは出来ないものだ。
大して仲が良かった訳でもないが,少し感傷に浸りつつ,
私は扉にカギを差し込んだ。
当然の事だががちゃりと音がした後,扉の施錠は外れる。
そしてやっぱり当然だが,中に人は居ない。
中からまたカギをかけなおす。そしてさらに美術準備室の扉を開く。
美術室と美術準備室は繋がっているのだ。
そして、美術準備室のもう一つの扉の前を固める。
ここと、美術室の扉とを両方固めて、美術室と準備室を繋ぐこの扉も閉じる。
これで少しは、扉を守れるだろう。少しは持つだろう。
限りがある食料については不安だが・・・。
ひとまず、今はこうするしか思い付かない。
万に一つの確立だが・・・教室内で,皆が殺しあう可能性もある。
多分・・・ある。
「・・・・・・・・・。」
静かな教室。一人の教師が、「待ってろ」と銃を持って言った為,
誰もが静かに、身動きせずに待っていた。
「・・・よし、じゃぁそろそろ移動してもいいよ。出席番号順ね。」
「ちなみに、先生を撃ったりすると,傭兵の、おじさん達に殺されるよ。」
何人か舌打ちしたのが聞こえた。やはり、そう言う事を企てていたらしい。
しかし、先生は動じない。どうせ、この中の何人かは死ぬだろうし,
と思って黙認しているのだろうか。
一人ずつ、教室を出て行って、走り出す。
何人かは、由紀が走っていた方向を見ていて、そっちへ向かう。
そうとは知らずその方向とは逆に、はたまた、移動せず、その場に留まる者も居た。
津田は、前者の方に入っていた。
「由紀ちゃん・・・・。」
様々な思想が入り混じり,ついにバトルロワイヤルは始まった。
つづく
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