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Nightmare Genocide Classmate 作者:糊塗霧 隙羽

最終回   終無悪夢(オワリナイアクム)
私は日常に帰った。

私の夢は、病気から起こされた物だと、後から聞かされた。

それから、夢の内容について、医者から聞かれたが何も答えなかった。

答えたくない。あの殺し合いの事なんて…

無かった事にしたい。忘れてしまいたい。

私は今日、久しぶりに学校へと向かっている。

その隣に津田君何て人は居ない。あの人は元々存在しない。

それを思うと、とても寂しい気持ちになる。

昔は、妄想の人と話してたりしたかもしれない。

それで気持ち悪くて、苛められてたのかもしれない。

あの夢のせいで、夢と現実が入り混じってどうなのか判らないけど・・・

でも、今なら妄想と話したりはしない。

もう、あれが幻だと判ってしまっているから。

私はもう、自分の足で、歩いて行くと決めたから。

あの時、津田君を殺したのは・・・・

その決断の為に妄想を消し去った…という風に解釈しよう。

そうして、あの夢の事はそれ以上、覚えてないようにしよう。

そうして私は学校へ、軽やかに向かって行った・・・・。





そんなに簡単に変わる物ではなかった。

大体の人が、いじめはしないが、深く話しかけもしない。

精神病だったから慎重に扱おう。そんな感じだった。

しかも、あの3人。土井明子 輝元有香 月野雫。

こいつらは変わらず私を苛めてきた。

鬱陶しい。夢の中では無様に死んでいたくせに。

怯えて、ほぼ無抵抗で、刻まれ、殴られ死んでいたくせに。

腹が立つ。こんな奴にやられるなんてッ・・・・!

ふと見るとそこにカッターが落ちている。

「・・・・・・・。」

私 は そ の カ ッ タ ー を 手 に 取 っ た 。






数日経って。

医者は、ふと、前に診察した子の事を思い出していた。

そして、古い書類を取り出しながら呟く。

「小笠原さんだったか・・・。あの子も、こうならんといいがな・・・。」

書類は夢閉病・・・由紀がかかった病気と同じものの資料だった。

その資料にはこの病気にかかった数人の症状と、

その後の行動が書かれていた。

『神谷 憲次―かみやけんじ 症状 寝る度に悪夢を見る。
  ある日、寝ながらにして『ギャッ!』と叫んだ後、胸から謎の出血。そのまま死亡。』

『蒼井 奨―あおいすすむ 症状 寝たまま起きない。
  ある日、突然苦しみだしたかと思うと死亡。死因は窒息死。
  しかし、口は塞がれてないし、気道が塞がれたりも無かった。』

『佐古田 藍子―さこたあいこ 症状 寝ると悪夢を見る。
  突然、『勝った!』と言った後、症状を見ない。
  その数日後、殺人及び、傷害罪で逮捕される。』

『古田 療治―ふるたりょうじ 症状 寝たまま起きない。
  突然目を覚ました。その後症状を見ない。寝ている間の事は
  『残酷なゲームをやらされた』以上に答えなかった。
   その数日後、バスジャックし、数人を殺害、逮捕。』


「死ぬか罪を犯すか、か。・・・一体どうなってるんだろうな。」

医者はこの謎の病気に頭を抱えていた。

精神病と思われるが、治療が出来ない。解明できない。

こんな、意味の判らない病気は、類を見ない。

気晴らしにテレビをつける。するとニュースだった。

しかも・・・

「今日、同級生をカッターで殺害した少女が逮捕されました。
 彼女は動機を『死んだくせに生意気だったからやった』
 などと笑いながら供述しており、精神鑑定などが
  行われている所です。              」


犯人の名前は 小笠原由紀。

医者はため息をついた。

やはり、死ぬか、(社会的に)死ぬかしかない。

デッドオアデッド・・・。

何と恐ろしい病気なのだろうか。

医者は考えるのが嫌になり、テレビを消して眠った。

すると、こんな夢を見た。

自分が診察した少女、由紀が笑いながら歩いている。

その他の資料でしか見た事無い、あの病気の犠牲者が歩いている。

そしてこう言うのだ。

「次は、貴方の番かもしれないよ?」

「楽しみにしてな。」

「お前は死ぬか、生きるか、どっちだろうな。」

「どっちも、変わらないけどな・・・。」






「 ま、 が ん ば れ よ 。 」


























































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Novel Editor by BS CGI Rental
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