■ トップページ  ■ 目次  ■ 一覧 

Nightmare Genocide Classmate 作者:糊塗霧 隙羽

第13回   訣別の序章
ボォン!!

爆弾が爆発し、勅使河原が吹き飛ぶ。

確実に致命傷だ。もはや立ち上がれまい。

念の為に確認したがやはり死んでいるようだ。





Nightmare Genocide Classmate
悪夢の同級生殺戮






「・・・・・よし。」

ついに、私たち以外に生徒は居なくなった。

見つめあい、私達は黙る。

やっぱり、私は彼を殺す事なんて出来ない。

既に銃は置いていた。

「・・・・・由紀ちゃん。」

津田君が話し掛けてくる。マズイ!このままだと・・・・殺し合いに・・・

「と・・とうとう二人だね!!」

「・・・・由紀ちゃん。」

「ね、ねぇ!二人で先生を殺しちゃわない!?それで逃げようよ!」

「・・・・・由紀ちゃん。」

「それがいいよ!絶対!ね!早く行こう!」

「由紀ちゃん!」

「ひっ!?」

突然叫ばれ,びびる私。

「・・・・判ってるでしょ。このまま先生の所に行っても、無意味だって。」

「殺す所か,殺されるって。」

「・・・・。」

判っている。先生はこのゲームの主催者だ。

反逆に備えて,武器を装備しているに決っている。

だけど・・・・

「でも!私には、津田君を殺す事なんて出来ないよ!!」

「・・・・僕だって、出来ない。けど、僕は別に生き残りたいと思ってない。」

「!?そんな・・・津田君!?」

ふぅ、っと津田君がため息をついた。

そのあと、ゆっくりと口を開く。

「おかしい・・・と思った所、無かった?」

「え?」

心当たりはありすぎる。さっきの持っていないはずの銃。

それに・・・そういえば・・・津田君は、銃と鉄槌しか武器を持ってないはず・・・。

「この世界は・・・"現実”じゃない。君の"夢"なんだ。」

「え・・・?」

意味が判らない。夢?こんなにリアルなのに?今更そんな馬鹿な。

「夢だからこそ,君に都合よく動く。」

「そんな・・・・ウソ・・ありえない・・・・」

「じゃぁ聞くけど。」

「君は何で,生き残ってるの?」

「え?そ、それは、貴方が・・・・。」

「僕が?」

「た、助けてくれたし・・・・守ってくれたし・・・。」

「都合よく、僕がね。それで?」

「え?」

「僕は誰?」

「え、それは・・・」

それは・・・?私は何を言ってるの?すぐに答えられるはずでしょ。

彼は、津田君・・・津田?津田って誰・・・・?

「・・・・・・津田くん?」

「ねぇ、由紀ちゃん。君のクラスって、何人居たっけ。」

私のクラス・・・確か、先生を入れて、31人・・・・・・・・

・・・・・31?

い、いや。違う。それだと、クラスメイトは30人になっちゃう。

そうすると、津田君が入らなく・・・・

「・・・・・・!」

「判ったでしょ?そう、僕は存在していない。」

「君が、生み出した妄想の中の友人だよ。」

そんな・・・・・・ウソでしょ・・・・だって、今まで、あんなに楽しく・・・

・・・!?

今まで、一緒に居た記憶が無い!!?

「僕は、君の望んだ妄想の産物。そして・・・」

「この悪夢を作り出した本体。」

「君の妄想の人物のイメージを借りて、ココに存在しているんだ。」

「・・・・・。」

嫌だ。

そんなの嘘だ。

ただ、私がど忘れして・・・・思い出せないだけだ。

津田君は私の・・・私の・・唯一の友達なんだ・・・・。

「悪夢の本体として、君を殺すのが僕の仕事だけど、このイメージの性格がそれを邪魔する。」

「だから、僕は何も出来ない・・・・。ただ、君に殺されるしか道が無い。」

「嫌だ!!」

「・・・由紀ちゃん。」

「私は、津田君を殺す位なら、死んだ方がいい!!」

「本当にそう思う・・・?」

「う・・・うん・・・・・。」

少し、怖い顔をした。彼は、一体何を考えて・・・・。

「実は、君のイメージが弱くなってきて、僕は今にも君を襲いそうなんだ。」

「え、ええ?!」

「だけど・・・・悪く思わないでね・・・?」

ベキベキベキベキベキ・・・・

津田君の腕が増える。しかもその腕にはおのおの、武器を持っている。

こうして、今までも持っていないはずの武器も持っていた訳だ。

それに、あの3人の恐怖に怯えるような顔。

この姿を見れば,恐怖するのも当然だ。

「じゃぁね。」

ブン!刀が振り下ろされる。

「きゃぁああああああ!!」

キィンッ!

「え・・・?」

私,いつの間に剣を・・・・・?

「防いだね・・・。でも、まだ剣はある!」

ブン!!また剣が振り下ろされる。

バン!!

「ぐぁっ・・・・・。」

わ、私の銃・・・・いつのまに私の手に・・・・それより・・・

「つ、津田君!!」

「ぐっうぅ・・・」

ドサリと倒れる津田君。そして一言。

「・・・これでいいんだ。・・・じゃぁね。」

そういうと、津田君はさぁっと砂になり,消えてしまった。

「わざと・・・・わざと私に・・・殺される為に・・・襲い掛かって来たの・・・・?」

最後まで、彼は津田仁は・・・私の理想通りのまま,死んでいったのだった。

「うっ・・・ぐすっ・・。」

泣いてる場合じゃない。

早く、この場から・・・・いや、この世界から。

逃 げ 出 し た い 。













先生の居る視聴覚室へと来た。

私は勝った。その報告をするのだ。


きっと、それで、この悪夢は終わるのだから。


視聴覚室の中に先生は普通に居た。

何かあるかもと思ったが,何も無さそうだ。

「おめでとう、小笠原、由紀さん。」

「・・・・。」

「君のか・・・のカjづhyでgdyがldんhすあfふさgふゅsgfygskぐ」

「!?」

突然先生が溶け始めた。先生だけじゃない。目に映る全ての物が,景色が

どろりと溶けて流れ始めたのだ。

そして景色達が溶けて流れた水は、たちまち大波となり,私を飲み込んだ。

「うあああああああああああ!!!!」














きづけば、私は 自分のベッドの中に居た。

母親がやってくる。

「! 由紀!!」

「おかー・・・さん?」

「あなた・・・・勝ったのね!!」

「え?」

お母さんの"勝ったのね"の言葉で、まさかあれは夢じゃなかったのか?

とか考えたが、その事については今は聞けそうに無かった。

母はひたすら泣きじゃくり,話せる状態じゃなかったから。

とりあえず今判る事は・・・・・・・













私は、"生還した"って事だけだ。














← 前の回  次の回 → ■ 目次

Novel Editor by BS CGI Rental
Novel Collections