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| カツーン・・・カツーン・・・カツーン・・・。 
 校舎内に足音が響く。
 
 静かな学校だからこそ、音は際立って聞こえる。
 
 もう、校舎内には3人しかいない。
 
 あと二人・・・・・。
 
 
 
 
 
 Nightmare Genocide Classmate
 悪夢の同級生殺戮
 
 
 
 
 
 さっき、放送が流れた。その時、発表されたのだ。
 
 もう、この校舎にいるのは先生を入れないで3人だけだと。
 
 「予想外だなぁー。まさか、"当たり"が残るなんて〜。」
 
 先生は嬉しそうだった。
 
 それもそうだ。クラスが嫌いな先生としては,死んだ方が嬉しい。
 
 でもそうだとしたら・・・・
 
 私がさっさと死んで,皆が残ったとしたら、どうなっていたんだろう。
 
 素直に逃がしたのだろうか。いや、多分、どの道殺しただろう。
 
 だから、私が自殺しても、全くの無意味に違いない。
 
 由紀は、自分を正当化しようとしていた。
 
 ついに自分を入れて3人となり、罪悪感が芽生えたのだろう。
 
 しかし、この夢の中は不思議なものだ。
 
 何故,今までその罪悪感を感じさせずにいたのだろうか。
 
 ただの病気・・・のはずだが、何か、意思があるような・・・。
 
 ・・・不思議以外に、言いようがない・・・。
 
 一体、この世界は何なのだろうか。・・・誰も,答えは知らない。
 
 
 
 
 
 ただ、悪夢としか言い様がない。
 
 
 
 
 
 「由紀ちゃん!」
 
 「あ・・・」
 
 津田君だ!やっと会えた。でも・・・
 
 
 私 が 生 き 残 る に は
 
 
 ・・・・・。
 
 私は銃を握る。・・・・・・?
 
 ・・・何故,ココに銃が!?
 
 「由紀ちゃん?」
 
 そんな事はどうでもいい。撃て。そして、終わるんだ。
 
 「うぅっ・・・うううう・・・。」
 
 「由紀ちゃん?どうかしたの?」
 
 撃て。
 
 「ううううぅうう・・・・」
 
 撃て!!
 
 「うああああああ!!」
 
 
 
 
 
 ドン!!
 
 
 
 
 
 「うっ・・・」
 
 津田君の腕から血が流れる。
 
 「・・・・え?」
 
 私の手にある拳銃は、安全装置が働いていて引き金が引けてない。
 
 「これ・・・・え?どういうこと?なんで?」
 
 「・・・来た・・・か・・・。」
 
 そういって津田君が見た先には・・・。
 
 「フヒッ!ヒヒヒヒヒ・・・ヒヒヒッ!!当たった〜・・ヒヒヒ!!」
 
 勅使河原・・・・・・!
 
 「由紀ちゃん、僕がやる。隠れてて。」
 
 「で、でも・・・。」
 
 私は・・・貴方を今,殺そうと・・・一瞬とは言え,考えていたのに。
 
 今だって,私の手にある拳銃は、貴方に向けられているというのに。
 
 「・・・・早く!」
 
 「う、うん!」
 
 大声で言われて慌てて隠れようとする。
 
 とはいえ、ここは廊下(2階)。隠れられるような所はない。
 
 とりあえず階段付近の壁際に隠れた。
 
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 |Д`)
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 ※突っ込むのは止めよう。
 
 負傷しているはずなのに、津田君はしっかりと銃を構えていた。
 
 「ヒャはハは!!拳銃じゃ、マシンガンには敵わない!!」
 
 「・・・。」
 
 素早い動きで津田君は弾をかわし、勅使河原君に接近する。
 
 それを勅使河原君はナイフで威嚇し退ける。
 
 銃で少し攻撃し、近づこうと考えつき、津田君が実行するが、
 
 勅使河原はその銃弾をナイフで止め、あろうことか,反撃に転じてきた。
 
 津田君の方へ、勅使河原君が走ってきたのだ。
 
 そして津田君の顔を思いっきり殴る。
 
 だが、から振り。
 
 何時の間にか津田君は勅使河原君の後ろに居た。
 
 そして殴ろうとするが、その腕を勅使河原君に止められた。
 
 そして、動きを止められた津田君は顔を殴られた。
 
 数メートル吹っ飛ぶ。しかし、大したダメージはないのかすぐに起き、
 
 地面を蹴って凄いスピードで勅使河原君の元へ戻ってきて殴る。
 
 勅使河原君はそれを防ぎ、反撃をする。
 
 津田君も同様に、防いでは反撃を繰り返す。
 
 ・・・どちらも人間の動きじゃない。
 
 少し恐怖を覚えたが、そんな場合じゃない。津田君が負ける!
 
 私は銃を勅使河原に向けて撃った。
 
 しかし、それもナイフで防がれる。その上、こっちに向けてマシンガンを撃ってきた。
 
 バッと壁の後ろに隠れる。弾は全てコンクリの壁に防がれた。
 
 「チッ!」
 
 舌打ちをしてターゲットを津田君に戻す。
 
 「!?」
 
 いない。さっきまで居た津田君がそこに居ないのだ。
 
 勅使河原が辺りを探す。だが、教室は閉まっているし
 
 非常階段の扉も開いていない。
 
 「クソッ!!早く狩られに出て来い!!ちくしょぉおおおおおおおお!!」
 
 苛立ちを隠せない勅使河原君と、そこへ津田君の声が。
 
 「判った。出る。でも狩られるのは君。」
 
 声は天井の方から聞こえた。すぐに上を見上げる。
 
 だが既にそこには誰も居ない。
 
 「ッ!?・・・ッ!?」
 
 ドガァ!!
 
 後ろから、勅使河原君に向かって津田君がタックルした。
 
 勅使河原君は思いっきり床に叩きつけられる。
 
 「ク・・・ッソがぁあ!!!」
 
 ガバっと起き上がり怒りに燃え叫ぶ勅使河原。
 
 「僕らの勝ちだよ。」
 
 ニヤリと笑う津田君。
 
 「ふざけんなぁ!!まだ僕は全然・・・」
 
 勅使河原君が言いかけたのを津田君がさえぎるように言う。
 
 「いやね、さっき強力な爆弾を仕掛けたのさ。君の・・・」
 
 といって指差したのは左腕。
 
 「右腕の手首にね。」
 
 「!?」
 
 慌てて左を向く勅使河原君。しかし、当然そっちには何もない。
 
 「そっちは左だよ。僕が言ったのはみ〜ぎ。」
 
 ボォン!!
 
 
 つづく
 
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