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Nightmare Genocide Classmate 作者:糊塗霧 隙羽

第11回   終愕の序章
「ああっ・・・。」

一人の40代ほどの女性は頭を抱えて悩んで居た。

原因は娘だ。

「何故あの子が・・・。」

その娘は、ある者に捕まり,この場に帰って来れなくなっていた。

その身を案じ,この母親はずっと悩んでいるのだった。

「残念ですが、娘さんは病気です。」

先日、医者に言われた言葉。

「一体、何の病気ですか!?」

「科学的に解明できない病気で・・・夢閉病と私は呼んでいます。」

「それはどんな・・・」

「夢の中に閉じ込められるんです。治療法は・・・よく判りません。」

「そんな!どうすれば・・・!」

「彼女を信じて待つしか・・・。」

「うぅっ・・・うあああああ!!!由紀ーーー!!」

呼べども、娘から返事は無い。ただ、うなされるばかりだった。





Nightmare Genocide Classmate
悪夢の殺戮同級生





医者は今までの患者の例を見せた。

「何人かは助かっています。けど、多くはそのままお亡くなりに・・・」

「・・・・。」

もはや、親は何も言えなかった。

「助かった人に話を聞くと、夢の中でゲームをしたと言ってました。」

「そして、自分はゲームに勝ったと。」

その言葉に母親は聞き返す。

「ゲームに勝てば、死なない・・・?」

「そのようです。しかし、そのゲームは残酷極まりないものだと・・・。」

「それに、やはり私達は何も手を貸す術がない。どうしようもないのです。」

親はまた泣き崩れるのだった。





「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

3階に辿り着いた。どうやら誰も居ないようだ。

「ふぅ・・・。」

ひとまず,教室に入り、座る。

ずっと走りっぱなしだった。やっと休憩が出来る。

少し座ったあと,私は立ち上がり,水道に向かう。

喉が渇いた。

誰も居ない。それなら存分に、この欲を満たしても大丈夫だろう。

そう思い,私はひたすら水を飲む。

しかし、そこに一人,誰かがやってきてしまった・・・。

11児玉滋

「やっと居た・・・。さて、死んで貰おう・・。」

児玉の手にはナイフ。じりじりと近づいていき、ナイフを振り下ろす。

だが、そんな事,私には,丸判りだった。

流し台がステンレス製で,しかもピカピカに磨き上げられている。

だから、奴の姿は全て、映っていたのだ。

振り下ろされるナイフをかわし,後ろから槍で突く。

槍の刃先は見事に児玉の腹部まで突き抜け,奴の動きを止める。

「こっ・・・か・・・わ・・」

そのまま倒れる。念のために止めを刺す。

そして気付く。私、こんなに慣れたような手つきで・・・・殺人を出来るなんて・・・。

「何で・・・?」

由紀には理由が判らなかったが、外の人なら、判る事だろう。

ここは夢の世界。だからこそ、都合よく上手くいく。

しかし、本人の夢だからと言って,全てが上手くいく訳ではなかった。

これは、ゲームだ。ある程度は都合よく行っても、

結局殺し合いは都合よく回避できない・・・。

死の危険にあるのは,変わりないのだった。

「ふぅ・・・。」

やっと落ち着いた。

どこかに隠れる為に、私は歩き出す。

このゲームを・・早く終わらせたい。

もう、それ以上に考えていなかった。

自分が助かろうとも,皆が死ぬのはつらいとも、

自分が死のうとも、もう、考えていなかった。

ただ、ゲームを早く終わらせたい一心だった。





バルルルルルルルル!!

「ひゃっははははは!!こんな物が落ちてるとは思わなかったぜぇ!!」

勅使河原はマシンガンを手に入れ,暴れまわっていた。

もうこのマシンガンで4人は死んでいた。

もうゲームも大詰め。終わりに近づいている。

勅使河原はそんなこと考えようともせず、ただ、人を探していた。

撃てば血を流して倒れる。そして動かなくなる。

勅使河原はそれが何だかいい様もなく,楽しくなっていた。

そして、とにかく、誰かを殺したくて,仕方なくなっていた。

そこへさらに3人、誰かが来る。

「きた・・・・」

にやりと笑うと、勅使河原は走り出す。

それに気付いた3人は、最初は味方が来たかと思ったが、

その表情と,武器を構えている事から、違うと判断し、

すぐに武器を構えた。

「ウチらを舐めんな!」

「友情の力思い知れえ!」

12近藤桜花

13佐藤小海

14斉藤桜

持っている武器は上から刀、槍、鎌。

銃との戦闘にはあまり向かないものだった。

だが、3人の力は中々のものだった。

一人が攻撃するように見せ,二人が背後に回り,また、一人がフェイント。

そして、最後の一人が攻撃するという戦法で戦った。

だが、一回攻撃しただけで、全員銃で撃たれてしまい、

結局、勅使河原を殺すには至らなかった。

だが、それでも勅使河原を弱らす事は出来た。

これは、由紀達にとってはとても嬉しい事になるだろう。

この3人はそのつもりでやったわけではなかったが。

とうとう、残るは3人となった。

小笠原由紀(おがさわらゆき)♀

津田仁(つだひとし)♂

勅使河原知樹(てしがらわらともき)♂

最後の決戦は、一体どうなる事やら。



つづく

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Novel Editor by BS CGI Rental
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